インターステラテクノロジズ(IST)は4月30日、打ち上げの延期に関する記者会見を開催した。同社は同日朝の打ち上げを目指し、準備を進めていたが、前日23時に行ったGO/NOGO判断において、再度の延期を決めた。次の打ち上げのタイミングは「5月3日以降」と発表されたが、今回の期間中の打ち上げを諦め、月単位で延期する可能性もある。

  • 観測ロケット「MOMO2号機」
  • 観測ロケット「MOMO2号機」
  • 延期が決まり、観測ロケット「MOMO2号機」は格納庫に戻された (C)NVS

同社の稲川貴大・代表取締役社長は、前日の記者会見で説明した機体の改修状況から説明。改修自体はすぐに完了し、その後、単体での動作試験を行っており、問題無いことを確認したという。

ただ、これは単体試験、システム全体での統合試験までは行えなかった。また、今回発生した窒素ガスのリークの根本的な原因が、推測したレギュレータ(調圧弁)まわりの設計変更だとは「100%断言できない」(同)ため、原因が違っていたら、統合試験で再発する可能性がある。

そういった検討をしたところ、「もう少し期間が必要」との結論になり、延期を決めた。今後、確認作業と原因究明を進め、「万全の態勢を整えてから打ち上げを行いたい」とした。

同社創業者の堀江貴文・取締役は、今回の延期について、「深刻なトラブルではなく、安全側に寄った判断」と補足。「これは、出口の見えないトラブルではなく、時間をかければ解決できることが分かっているトラブル。開発の初期、たとえばインジェクタの開発などは、1年以上何度も失敗し、そのたびに飛散した部品を畑の中で探した。それに比べたら容易」と述べた。

  • IST代表取締役社長の稲川貴大氏(左)と、同社創業者の堀江貴文氏(右)と、マスコットキャラクター「ひふみろ」

    IST代表取締役社長の稲川貴大氏(左)と、同社創業者の堀江貴文氏(右)。今回も、後ろでマスコットキャラクター「ひふみろ」が存在感を発揮

今回の打ち上げ実験の予備日は5月5日まで。気になるのは、この期間中の打ち上げが可能なのかということだが、状況はやや厳しい。5月3日~4日にかけ、天候の悪化が予想されており、仮に機体側の準備が間に合ったとしても、打ち上げは難しい。5月5日のラストチャンスに賭けるかどうか、という判断になるだろう。

もし5月5日までの打ち上げを断念した場合、関係各所との新たな調整が必要になるため、しばらく期間が開く。次の打ち上げは早くても「6月以降になる」(稲川社長)とのことで、夏の終わりくらいまでの期間を想定しているそうだ。