写真集

敷地内には大小さまざまなアンテナが合計24基も立ち並ぶ。

第1電波望遠鏡(右)と第2電波望遠鏡(左)。この2基で干渉計を構成する。

第2電波望遠鏡

第2電波望遠鏡の解説パネル

第2電波望遠鏡のパラボラ・アンテナを下から見上げる

アンテナの口径は34m、反射鏡部分のパネル数は432枚。アンテナ全体の高さは42mで、重量は430トンもある。

第2電波望遠鏡の裏側。アンテナを動かす仕組みや、作業のための足場などが見える。

アンテナの仰角(上下の向き)は、写真の上に見えるギザギザの付いた半月状の部品を、根元にある電動モーターで動かすことで変える。

アンテナの方位(東西南北の向き)は、写真の右下に見える黄色い車輪を電動モーターで動かすことで変える。

第2電波望遠鏡の奥には、より小さなパラボラ・アンテナが見える。通信衛星の大型化や技術の進歩により、小さくてもこの大型アンテナと同じ性能が出せるようになった。

アンテナの足元にも、こうした小さなアンテナが並んでいる(右に見えるのは第1電波望遠鏡)

衛星通信アンテナとしての役目は終えたものの、これからは電波望遠鏡として第二の人生を歩む。

こちらは同じく衛星通信アンテナから電波望遠鏡に改造され、2002年から観測が行われている第1電波望遠鏡。鏡面部分には国立天文台(NAO)のロゴが入っている。

第1電波望遠鏡の解説パネル。

こちらは同じく衛星通信アンテナから電波望遠鏡に改造され、2002年から観測が行われている第1電波望遠鏡。鏡面部分には国立天文台(NAO)のロゴが入っている。

ところで、第1電波望遠鏡と第2電波望遠鏡とは、基本的には同じつくりなものの、決定的に違う部分が1つある。

実は第2電波望遠鏡(右)は430トンもあるものの、第1電波望遠鏡(左)は280トンしかない。その理由は、第1電波望遠鏡の前身である「山口第4アンテナ」はもともと、衛星からのデータ中継だけでなく、人工衛星が打ち上げられ、最終的な目的地である静止軌道にたどり着くまでの間の追跡、管制も担当していたことから、この規模のアンテナとしては例外的に、俊敏に動くように造る必要があったためである。一方、第2電波望遠鏡の前身である「山口第2アンテナ」はその能力は不要だったので、430トンという重いつくりになっている。両者を比べると、たとえば足場では第1は軽くするため網状に、第2はただの板になっている。

車輪も、第2にはある灰色のでっぱり部分が第1ではないなど、軽量化に配慮されている。

センター内にある一般向けの広報施設「パラボラ館」には、KDDIが長年担ってきた衛星通信や海底ケーブル通信の、仕組みや歴史、最新技術をわかりやすく学べる展示物が多数用意されている。そしてロケット好きにとっては、この「アリアン4」ロケットの精巧な模型も見逃せない。これは44Lと呼ばれる、液体ロケット・ブースターを4基装備する最強ヴァージョンである。

山口大学 時間学研究所 教授 藤沢健太さん

KDDIグローバルネットワーク・オペレーションセンターの河合宣行副センター長

アンテナの前で意気込みを語る藤沢さん

アンテナの前で質疑応答に応じる藤沢さんと河合さん