Project Comet関連の新機能 - Designing With Real Data

「Designing With Real Data」は、基調講演で発表されたProject Cometに関する新機能で、リピートグリッドに適用するダミーデータを、よりリアルなデータとして作ることができるというもの。ローカルのテキストファイルやスプレッドシートからドラッグ・アンド・ドロップでデータを流し込むと、それを自動でリピートグリッドに合う形でダミーデータとして適用してくれる。任意のWebページやBehance、Adobe Stockの画像などにも対応している。

実際のデータをリピートグリッドに貼り込める

スプレッドシートからも追加することが可能

BehanceやAdobe Stockからも読み込める

写真からパースを自動検出 - Project Dollhouse

「Project Dollhouse」は、タブレットで撮影した画像から自動的にパースを検出するツールだ。消失点も自動計算されるため、パースに対して自分で線を追加することもできる。2Dのベクター画像を配置することも可能。作られた画像はIllustratorに送って加工することができる。

撮影した写真からパースを自動検出

2Dベクター画像も配置可能

手軽にフォントを制作 - Project Face

「Project Face」は、自分のオリジナルのフォントを簡単に作り出すことができるツールである。ベースとたるフォントに対して、太さや傾き、歪み、横棒の高さなどのパラメータを調整することで、オリジナルのフォントを作成できる。パラメータの調整はスライダーを使ってで直感的に行える。指定したパラメータは全文字に反映される。

ベースとなるフォント

パラメーターを調整すると、文字の形が変えられる

フォントのパラメータを変えるだけでロゴマーク風に

映像にあわせてサウンドを設定 - Project Boxcar

映像のシーンの変化で音楽を切り替える

「Project Boxcar」はPremiere Pro向けの新機能で、シーンの変化に合わせてサウンドを追加できるというもの。基調講演で紹介されたAudition Remixはシーンの長さに合わせてサウンドを調整する機能だったが、Boxcarの場合はシーンの変化に合わせてサウンドを切り替える。明るい場面から暗い場面に変わったタイミングで、音楽も静かなものに切り替えるといったことが自動で可能となる、

画像の影を分離する - Extract Shading

「Extract Shading」は、Photoshopで画像の陰影情報と表面のテクスチャーの情報を分離する機能。陰影の付いた画像は塗りつぶすなどの加工が難しいが、この機能を使えば、陰影情報だけを取り外しておいて、陰影の無くなった画像を加工するということが可能になる。加工した後で、外してあった陰影情報を元すことも可能。また、別の画像の陰影情報を貼り付けることもできるとのこと。

SALEの文字の上に陰影が重なっている

陰影を取り除いたテクスチャ情報のレイヤーだけを作成

陰影が無いので簡単に塗りつぶしができる

できたらもとの画像に戻せばいい

Monument Mode

観光地で風景を撮影したいのに、他の観光客が写り込んでしまってうまく撮影できないといった経験は誰にでもあるだろう。「Monument Mode」は、そのようなケースでもスマートフォンで"人が写り込んでいない写真"を作る技術である。ポイントは、写真ではなく動画を撮るということ。対象にスマートフォンを向けて、固定した状態で一定時間以上の動画を撮影する。それをMonument Modeで処理すると、動画の中から静止している部分だけを抽出して、動いている物(人物など)が写っていない1枚の静止画を完成させてくれる。

観光地の写真撮影にありがちな光景

Monument Modeで撮影中

止まっているものだけが写った写真が完成

以上の11個が、今回のSneak Peeksでお披露目された内容である。"Adobe Magic"と呼ぶにふさわしい機能の数々だったと言える。このうちの何個が実際の製品に反映されるかは分からないが、未来を感じさせてくれた発表に会場は大いに盛り上がった。