厚木市の人気ゆるキャラ「あゆコロちゃん」ベースのロボット「ロボコロ」

神奈川県厚木市商工会議所に所属する企業27社による「あつぎものづくりブランドプロジェクト(ATSUMO)」は9月30日、市内にある大学2校と技術提携し、また厚木市からのバックアップも受けて開発を進めている、ゆるキャラグランプリ2013の10月1日現在10位にランクインしている「あつぎシティーセールス大使」こと同市の人気ゆるキャラ「あゆコロちゃん」(画像1)をベースとした等身大ヒト型二足歩行ロボット「ロボコロ」(画像2)のプロトタイプを神奈川工科大学のKAIT工房にて披露した(画像3)。

会見には小林常良 厚木市長も参加し、石川範義厚木商工会議所会頭、中村幹夫ATSUMO会長、小宮一三神奈川工科大学長、久米祐一郎東京工芸大学工学部主任教授らも出席した「ATSUMO ロボコロ試作機完成&音声公募プレス発表会」の模様をお届けする(画像4)。

画像1(左):あゆコロちゃん。頭に載せているのは鮎。10月1日現在、ゆるキャラグランプリ10位にランクイン中。画像2:プロトタイプ・ロボコロと設計・開発・組み立てを行っている3名の学生。左から北島尚氏、勝又天理氏、森栄樹氏

画像3。神奈川工科大学のKAIT工房の外観

画像4。小林厚木市長(左から2番目)を初めとする出席者

ATSUMOは、神奈川県厚木地域の産学公が連携し、地域中小企業の技術開発力の強化と市場の拡大、並びにイノベーション創出などを通じて、「あつぎものづくりブランド」の価値向上や、地域経済の振興、将来の産業界を担う人材の育成に寄与することを目的としたプロジェクトだ(画像5)。

ATSUMO参加企業の中には、ラジコンメーカーの京商や、その京商が販売している組み立てキット型の二足歩行ホビーロボット「MANOI」シリーズ(画像6)の完成済みバージョン(コンプリートモデル)などを販売していたり、全国の科学館などでロボット関連イベントの開催などを行っている組織「ロボットゆうえんち」(画像7)を運営していたりするMANOI企画などがある。そのほかは、ロボットそのものの完成品を作っている企業が多いわけではないが、その要素技術的なものを作っていたり、パーツを工作できるような技術や工作機械を所有していたりするような企業が多い。

画像5(左):ATSUMOのロゴマーク。東京工芸大学の学生がデザインした。画像6(中):「MANOI PF01」。ROBIやKIROBO、エボルタくんなどのデザイナーとして知られる高橋知隆氏のデザインのキット型ホビーロボット。画像7(右):全国の科学館でロボットイベントを実施しているロボットゆうえんち。その中で行われるアスリート系ロボット競技会「ロボット・アスリートCUP」の様子

そんなATSUMOがロボット開発を始めた理由は、まず神奈川県が2013年度に「さがみロボット産業特区」として国から指定を受けたことが大きい。同市にはロボットに関連する企業や、技術をロボット関連にも活かせる企業が多いことから、ロボット産業に力を入れているというわけだ。

また近年になって全国各地で中小企業が力を結集し、大阪府東大阪市の小型衛星「まいど1号」や、東京都大田区の「下町ボブスレー」、東京都墨田区や葛飾区など下町連合的に進められている深海シャトルビークル「江戸っ子1号」など、さまざまなものづくりプロジェクトが展開されて注目を集めていることから、会員企業が積み重ねてきた技術開発力の結集と産学公の連携により、今年度から等身大の二足歩行ロボットの開発プロジェクトをスタートさせたというわけである。