まとめ
ということで長々と書いてきたが、とりあえずClarkdaleや対応チップセットの素性は概ね明らかになった。まとめると、
- CPUのコアそのものは、従来のLynnfieldベースと同じ。ただし2コア。
- 動作周波数は上がりやすいし、その割に消費電力は少ない。
- ただしメモリコントローラが明白にボトルネック。Lynnfield並みのメモリ帯域を期待すると裏切られる。
- GPUは良くも悪くも統合チップセット並み。ローエンドのDiscrete GPU程度の性能は期待出来る。
- H55は、単にGPUの出力が追加され、Dual GPUとかRAIDが使えない以外はP55と同じ。性能面でのビハインドとかアドバンテージも無し。
というところだ。確かにこれはモバイルには良い製品だろう。あるいは省スペースデスクトップの類にも向いている。ただある程度のパフォーマンスが欲しい、という向きにはどうだろう? 筆者なら、やっぱりCore i5-750+P55を選ぶだろう。勿論この場合、DiscreteのGPUが必要になる分若干割高にはなるが、従来のCore i5/7の広いメモリ帯域を捨てるくらいなら、何千円が余分に払ってもいいや、と思う。
逆に言えば、従来のCore 2 Duoの性能で十分お釣りが来る、というユーザーにはいい選択肢であろう。概ねCore 2と同程度のメモリ帯域はそれでも確保されているし、32nmプロセスのお陰でより高い周波数まであがり、その割りに消費電力は少ないからだ。
あと気になるのは、冒頭でも説明したIntel HD Graphicsのドライバ完成度の低さである。これがもうちょいなんとかなれば、安心して薦められるのだが。