4人の相澤ロボットが、ロボットフェスティバルでお披露目

昭和の"ロボット博士"、故・相澤次郎氏によって昭和30年代~50年代にかけて生み出され、全国各地のイベントで活躍した大型ロボットの兄弟たち。EXPO'70 大阪万博にも出展され、子ども達の人気者だった彼ら「相澤ロボット」を、できるだけ当時の稼動状態へ修復しようと、財団法人日本児童文化研究所と神奈川工科大学による共同プロジェクトが進行中だ。

先日の筆者の記事でもプレス発表会の様子についてはお伝えしたが、修復プロジェクト開始後初のお披露目として、いよいよこの9月26日(土)と27日(日)の2日間、富山県富山市で開催される「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」にロボット達が登場する。

修復プロジェクト開始にあたって日本児童文化研究所から神奈川工科大学に預けられたロボットは全部で9"人"(以下、ロボットを人間同様に考えていた相澤次郎氏の数え方で表記する)。このうち、「ガイドロボット 一郎くん」、「カメラマンロボット 太郎くん」、「モデルロボット 五郎くん」、「スタンプロボット テッちゃん」の4人が富山で実演展示され、来場者の前にお目見えする。

相澤ロボット兄弟の長男「ガイドロボット 一郎くん」

記念写真を撮影する「カメラマンロボット 太郎くん」

"太郎"と1組で大阪万博に出展された「モデルロボット 五郎くん」

記念スタンプを押す「スタンプロボット テッちゃん」

今回の実演展示に向けて、7月29日(水)の修復プロジェクトのプレス発表会の後、8月18日(火)、19日(水)には再び修復プロジェクトのメンバーが集合し、最初の本格的な現状解析と修復作業が実施された。もともと"一郎くん"と"テッちゃん"はある程度正常に動作しており、モデルロボットの"五郎くん"は首が動く以外に大きなアクションはしないため、この2日間は、ほぼカメラマンロボットの"太郎くん"のために費やされることとなった。

修復作業が行われた神奈川工科大学KAIT工房

"太郎くん"の検査・修復中の様子

修復作業に参加したのは、神奈川工科大学非常勤講師でMANOI企画代表の岡本正行氏、アドバイザーを務めるテクノロード開発責任者の浅野克久氏、神奈川工科大学工学部の兵頭和人准教授と有志の学生たち。

2日目にはプロジェクト発起人であるエンターテイメントボウルの小松要仁氏や、日本児童文化研究所の常務理事、石川正子氏も姿を見せた。

さらに、修復初日には強力な助っ人として、芳賀義典氏も個人的なボランティアで参加。バンダイロボット研究所の所長として手がけた「タンサーボーグ」や「Myドラえもん」をはじめ、20年以上に渡ってロボットを開発してきた芳賀氏も、大阪万博には行けなかったが子どもの頃から相澤ロボットの大ファンだったそうで、自らテスタや工具を手に大活躍していた。

テスタで足の配電板をチェックし、配線を調査中
"太郎くん"の首が動いた!(wmv形式 2.01MB 20秒)

頭部に新しい電球を装着中。助っ人・芳賀氏(左)とMANOI企画の岡本氏(右)

腰の部分のカウンタには、今では使われなくなったニキシー管が使用されている

腹部の電球ソケットはすべてにコードをつなげてはんだ付けされた恐るべき仕様
夕張での展示用に5桁中4桁のみ表示されなくなっていたが、暗めながらも点灯(wmv形式 1.0MB 5秒)

旧式プラグの電球は大部分が焼き付いて切れていたが、富山での展示用にかなりの数を揃えたとか

ライトが灯り命が宿った"太郎くん"