『ニューズウィーク 日本版』編集長 竹田圭吾氏

日立システムアンドサービスが主催するイベント「Prowise Business Forum Executive Day 2008 情熱と知の経営」が5月23日行われ、「人財と知のマネジメント」と題したパネルディスカッションが開催された。

今回で6回目の開催となる「Prowise Business Forum Executive Day」は、これからの情報大航海時代を迎えるにあたって経営に必要とされる「人財」と「知」をテーマに、教育、経営、システムの各関係者がそれぞれの現場の取り組みを紹介。モデレータを務めた『ニューズウィーク 日本版』編集長の竹田圭吾氏は「今の世界経済は2000年のITバブルの崩壊以来の節目を迎えている。国土や資源に限りのある日本を取り巻く環境は非常に厳しい。このような変化の中、今後どのように対応していくべきかが企業にとっての大きな課題だ。そんな中で重要なのが今回のテーマである「人財」と「知」となってくるのではないか」と、今回のパネルディスカッションのテーマに対する主観を述べた。

続いて、日立コンサルティング取締役の芦辺洋司氏が講演。"もの"が中心の工業社会から、"情報"が加わった情報化社会へと進展し、今後はそれらを使いこなす"知"が加わった知識創造社会が到来するとし、「この先は使いこなし、新しい革新を求めてことが重要。これからは知をいかに絡めていくかにある」と語った。

日立コンサルティング 取締役 芦辺洋司氏

芦辺氏によると、現在北米では、"オープンソース"や"オープンナレッジ"などにより、企業で蓄積された知識を共有、コラボレーションし、より高いイノベーションにつなげていく「オープンイノベーション」が活発であることを紹介。さらに現地では、「インセンティブ」と呼ばれる、ボーイング社など大手企業が参加するバーチャルのネットワーク組織が存在する例を挙げ、「日本でも、これまでコンペティター(競合他社)だと思われていた企業が協力を求めていく時代に突入していくだろう。そのためには、企業で蓄積されたナレッジをいかにコラボレーションをしていくかがカギとなる。それを実現する次世代のITツールの実装が求められていく」と今後の課題について語った。