2次大戦中に、英国はドイツ軍の暗号を解読する施設をロンドンの北西約80kmのBletchley Parkに設立した。当時、ドイツ軍が一般的に使用していたのはEnigma暗号であったが、最高機密の情報伝達にはLorenz暗号が用いられた。

Enigma暗号器(左)とLorenz暗号器(右)(出典:Wikipedia)

写真に見られるように、Enigma暗号器はポータブルタイプであるが、Lorenz暗号器は大型で据置き型のマシンであり、重要拠点間の通信に用いられた。

これらの暗号を解読するため、英軍はTuring BombeとColossusと呼ばれる専用コンピュータを開発、量産した。しかし、これらのコンピュータは秘密を保持するため、戦後、破壊されてしまい、歴史の襞に埋もれようとしていた。

これを惜しんだボランティアのグループが昔の資料を掘り出し、これらのマシンの復刻に取り組んできた。Colossusは1996年に部分的に完成してパワーオンが行われ、2003年に全体の復刻が完成した。また、Turing Bombeは、1995年から復刻が開始され、最近(2007年7月16日に)完成し、Bletchley Park博物館に展示されると発表された。これにより、第二次世界大戦中の歴史に残る暗号解読コンピュータが復刻され、展示されることになった。