近年、中国国産ERP製品の発展と成熟に伴い、メーカーのサービスネットワークが急速に整いつつある。当然ユーザーである中国企業の管理、情報化レベルも高まっており、結果としてERPシステムが多くの企業で応用され、顕著な効果を挙げるようになってきた。

現在、中国企業で使われている主なERPの合計シェアは、用友、SAP、金蝶、甲骨文(Oracle)、仁科などのERP大手5社で73%にも達し、その内、用友とSAPが首位を争っている状況にある。両社はそれぞれ市場の24%、22%のシェアを占めている。

SAP、Oracleは、初めに中国のハイテク業界で一部のモデルユーザーを見出し、その後、これを通じてコンサルティング提携パートナーと共に中国ERP市場を開拓しようとした。当時は、中国のERP市場がまだ初期段階にあり、市場には競争相手が少なく、ユーザーニーズそのものを掘り起こさねばならなかったが、需要を捉えるのも比較的簡単だった。

しかし現在、中国ERP市場は日増しに成熟の度を増しており、競争も一段と激化、ユーザーニーズも複雑化し、各社とも導入後の投資収益率を重視するようになってきた。市場での取引が難しくなる状況下で、とくに海外メーカーが、まず中国の中小企業市場に目を向けるようになった。膨大な数の中小企業、巨大な潜在市場に眠るニーズに海外メーカーが鋭く反応したのだった。