業界内のある専門家は、中国ERP市場の発展を「導入、発展、普及」の三つの段階に分けて説明している。神州数碼も中国ERP市場の発展を4つの時期に分けることができるとしている。

その1つ目は実験期。つまり概念を導入し、個別企業で実験的導入がおこなわれた時期だ。2つ目は失敗期。中国国産ERPが一気に立ち上がったが、製品の未成熟さやユーザーの非理性的対応が市場の混乱を招いた。3つ目は転換期。つまり市場が日増しに理性的なものとなり、専門かつ成熟した製品が従来製品に取って代わる時期である。現在のERP市場は、まさにこの時期に突入している。そして、4つ目が成熟期。市場における激しい競争と市場プレーヤーの再編成の末、高い専門性を持ちつつ成熟した製品ラインアップをもつメーカーだけが生き残って成長し、ユーザーも、ERP導入から多くのメリットを得ていくのだ。

ある意味では、中国の管理ソフトウェア産業全体が、第三次技術革新を迎えているのだ。革新のテーマは「プラットフォーム化」である。ERPプロバイダーの課題は、如何にしてユーザーに実効あるバリューチェーンシステムに基づくERPプラットフォームを提供できるか、だ。それが実現できれば、ERPプラットフォームを基に管理ソフトウェア価値チェーン全体に実質的な変化が発生し、産業の細分化が更に明確になる。なぜなら、ERPプラットフォームがコンサルティングを受ける人や企画者にはサンプル設計ツールを提供し、開発者には二次開発ツールやシステム集成ツールを提供、実施者にプロセス配置ツールを提供し、インターネット接続やサービスを受ける者にはシステム配置ツールを提供する。また、各サプライヤー間ではERPプラットフォームを通じて有効な交流や連携を行うことが可能となるからである。