Microsoft Edgeのツールバーには「拡張機能ボタン」というボタンが用意されている。このボタンは状況に応じて自動的に表示されるものだが、拡張機能を使っていない場合は見たことがないはずだ。便利な機能なので、使い方を知っておきたい。
→連載「意外と知らないMicrosoft Edgeの便利な使い方」の過去回はこちらを参照。
ツールバーの「拡張機能ボタン」
Microsoft EdgeのデフォルトUIは次のようになっている。デフォルト状態のMicrosoft Edgeのツールバーには「拡張機能ボタン」は表示されていない。このボタンは、執筆時点ではデフォルトで「自動的に表示」に設定されているので、必要がなければ表示されないのだ。
表示は設定を変更することで実現できる。サイドバーやメニューから「設定」を選択し、「外観」→「ツールバーのカスタマイズ」を選択する。次のように「[拡張機能]ボタン」が「自動的に表示」に設定されている。
これを次のように「常に表示する」に変更する。
「常に表示する」に変更すると、上記スクリーンショットのようにアドレスバーの右側にパズルのピースのようなアイコンが表示される。これが「拡張機能ボタン」だ。
拡張機能ボタン - 拡張機能インストール前
拡張機能ボタンはMicrosoft Edgeに1つも拡張機能がインストールされていない状態と、1つでも拡張機能がインストールされている状態とでは挙動が違う。まず、何も拡張機能がインストールされていない状態だと、拡張機能ボタンを押したときに次のように「Microsoft Edge Add-ongs ウェブサイトを開く」というリンクと「拡張機能の管理」というボタンが存在するダイアログが表示される。
拡張機能ボタンという名前の通り、このボタンは拡張機能を使っていないとあまり意味がない。動作を確かめるには、何らかの拡張機能をインストールする必要がある。インストールするには「Microsoft Edge Add-ongs ウェブサイトを開く」をクリックする。
ここで何らかの拡張機能をインストールする。後述するが、拡張機能を装ったマルウェアも存在するので、信頼できる拡張機能を選びたい。まずは、Microsoftが提供している公式の拡張機能で試してみるのが良いだろう。ここでは「Microsoft 365」の拡張機能を選んでインストールする。
インストールを確認するダイアログが表示されるので、「拡張機能の追加」をクリックする。
拡張機能をインストールしたら、設定から「外観」→「ツールバーのカスタマイズ」→「[拡張機能]ボタン」→「常に表示する」を「自動的に表示」に変更しても、次のように拡張機能ボタンは表示されたままになる。
このように拡張機能がインストールされた状態で使うのが拡張機能ボタンだ。
拡張機能ボタン - 拡張機能インストール後
拡張機能が1つでもインストールされていると、拡張機能ボタンをクリックしたときに次のような一覧が表示されるようになる。
ここで「拡張機能の管理」をクリックすると、Microsoft Eedgeの拡張機能管理ページが表示される。
一覧に表示されている拡張機能の右側の「…」メニューアイコンをクリックすると次のようなメニューが表示される。
拡張機能の設定へ飛ぶためにこのボタンを使う、という使い方が1つで、もう1つは拡張機能自体のボタンの表示切り替えだ。
インストールした拡張機能はそれぞれがアイコンを持っており、ツールバーにそのアイコンを表示できるようになっている。拡張機能によってはツールバーにこのアイコンが表示されてほしいことがある。かといって、アイコンを全部表示しているとツールバーが拡張機能のアイコンで埋まってしまいかねない。こうしたことから、ツールバーに表示する拡張機能アイコンは選択できるようになっている。
フェルマータのような記号アイコンが拡張機能ボタンを表示するかどうかの切り替えになっている。拡張機能のアイコンをツールバーに表示したい場合には、この記号アイコンをクリックする。クリックで表示と非表示が切り替わるようになっている。次のスクリーンショットでは、ツールバーにインストールした拡張機能のアイコンが表示された状態になっている。
ツールバーに表示した拡張機能のボタンをクリックした際の挙動は、拡張機能ごとに異なる。Microsoft 365の拡張機能の場合は、次のようなダイアログが表示される。
拡張機能によってはこのアイコンが表示されていた方が便利なので、必要な場合には迷わず表示するようにしよう。
なお、ツールバーの基本は必要最小限のボタン表示に留めることだ。インストールした拡張機能のアイコンを闇雲に表示しても不便になっていくだけなので注意してもらえればと思う。
拡張機能のインストールには細心の注意を!
Microsoft Edgeは、Google Chromeの拡張機能もそのままインストールすることができるので、かなり多様な拡張が可能だ。
しかしながら、昨今のサイバーセキュリティ犯罪者はWebブラウザの拡張機能に巧妙にマルウェアを仕込むため、気軽にインストールできなくなりつつある。GoogleもMicrosoftも、マルウェアが拡張機能サイトに登録されないよう、防止に取り組んでいるが、サイバーセキュリティ犯罪者はそうした検出の網をかいくぐる方法を日々編み出しており、いたちごっこだ。
また、犯罪者たちは、乗っ取った開発者のアカウントを使って拡張機能にマルウェアを混入させることもある。そのため、単にユーザー数が多かったり、レートが高かったりするだけでは、マルウェアが混入していないと言い切れない。
拡張機能をインストールする際には、その拡張機能についてよく調査して安全性を確認した上で使うようにした方がよい。最近では、ChatGPTをおとりに使った拡張機能の存在が報告されている。サイバーセキュリティ犯罪者は流行りの技術を巧妙に使うため、こうした拡張機能には特に注意しておきたい。