正月太りをきっかけに、kintoneでAIに頼りながら「自作のダイエットアプリ」を作り、体重を管理している本連載。今回はダイエットから少し離れて、編集部の新たな業務におけるkintone活用について紹介したい。
"ながら聞き"でITニュースを振り返るVoicyチャンネルを開設
本連載の第1回で、止まらない体重の増加と健診結果の「D判定」、ビジュの滅についてお届けした。血液検査の結果もさることながら、実は視力の低下も筆者を悩ませている。
学生時代の身体測定で、裸眼で一番小さなランドルト環(C字のような視力検査のマーク)まで見えていたため、「視力だけはカンスト」などと言っていたのが懐かしい。しかし大人になり、編集のような仕事をしていると、業務の大半はモニターとにらめっこ。目の疲労は溜まる一方だ。
仕事でさんざんモニターを眺めているくせに、いわゆる"ツイ廃"でもある筆者は、通勤の電車内でも、トイレでも、お風呂の中でも、だいたいスマホを眺めている。手元のiPhoneのスクリーンタイム(アプリの使用時間を管理する機能)によると、1日平均9~10時間は画面がオンになっているようだ。
そんな生活が続いたこともあり、当然のように目の疲労に抗えなくなりつつある。皮肉なことに、年齢と共に嫌な現実だけはよく見える。
そこで最近は、せっかくダイエットでランニングを始めたこともあって、ポッドキャストやラジオを聞くようになった。なるほど、これは便利である。走っている間はもちろんのこと、料理など家事の間の「ながら聞き」にも楽しめる。意外とお笑いだけでなく、ビジネスに役立つ番組も配信されている。
そんなある日、「自分も音声で発信する側に回ってもいいんじゃないか」と考え、TECH+のVoicyチャンネルを開設することとなった。
音声配信の台本作りや収録もkintoneアプリで"シュシュッと"
前置きが非常に長くなってしまったが、筆者はVoicyの配信作成にもkintoneを活用している。AIとのチャットを通じて「kintone de kintore(筋トレ)アプリ」を作った経験から、今回も「kintone AIラボ」に頼ることにした。
AIを活用したアプリ作成の流れは第1回とほとんど同じであるため、ここでは要点のみ紹介する。
まずは新しいアプリの作成を開始し、「アプリ作成AI」に作りたいAIの概要を入力する。
Voicyの週次配信用の進行管理アプリを作ってください。
目的:Voicy番組の配信に向けて、企画→原稿作成→収録→編集→公開までの一連の進行と成果物を一元管理する。重複作業や抜け漏れを減らし、配信品質とスピードを改善する。
タイトル:Voicy管理アプリ
必須:ステータス / 配信予定日 / タイトル / 台本 / 配信URL / 担当者 / 承認者 / メモ
ビュー:タイトル / 配信予定日 / ステータス
ステータス:
企画 / 原稿作成 / 収録待ち / 編集中 / 公開済 / ボツ / 非公開
うれしいことに、たった1回のプロンプト入力でAIがアプリを作成してくれた。「この内容をフォームに反映」を押すと、アプリができあがる。筆者が驚いたのは、ステータスがドロップダウンの選択式になっている点。
頭の中では漠然と「ドロップダウンだと管理しやすい」と思いながらも、プロンプトで指示を与えるのを忘れていたからだ。AIがユーザーに寄り添った設計を実現してくれた。
アプリのアイコンや入力項目名、位置など、気になるポイントがあれば後からユーザーが修正することもできる。満足したら「アプリを公開」のボタンを押すと、完成。筆者はほとんど手を加えておらず、「kintone de kintore(筋トレ)アプリ」よりもさらに短い時間でアプリを作れた。
AIの協力で新たなチャレンジも怖くない
これまで何度か番組を配信してきたが、何せまだまだ素人だ。そこで今回は、今後の企画・構成のヒントを得られるように、「レコード一覧分析AI」に相談してみようと思う。
なお、「レコード一覧分析AI」も他のAI機能と同様に、歯車マークの「設定」から「kintone AI管理」を選択し、「利用する」にチェックを入れないと使えない。
まずは簡易的なレポートを生成してみよう。「レコード一覧分析AI」には最初から「要約レポート作成」「特徴およびトピック分析」「注目レコード抽出」の3つのボタンが用意されているため、プロンプトを入力するまでもなくレコードの概要を把握できる。
AIが作成したレポートの内容が以下の通りだ。
# TECH+ラジオ コンテンツ分析レポート
## 概要
2026年2月16日から3月16日にかけて、計5回の配信が予定・実施されました[1][2][3][4][5]。このうち4回が公開済みで、1回が編集中のステータスです[1][2][3][4][5]。全配信の担当者は熊谷知泰氏、承認者は今辺敏代氏です[1][2][3][4][5]。
## 再生実績
公開済みコンテンツの再生数は、2月16日配信が197回と最も高く[1]、次いで3月2日配信が170回[3]、2月23日配信が100回[2]、3月9日配信が92回[4]となっています。配信初期の方が高い再生数を記録する傾向が見られます。
## 主要トピック
**AI・データ関連:**
パナソニックコネクトがAIエージェントで作業時間を最大97%削減[3]、富士通がソフトウェア開発自動化AIエージェントを運用開始[2]、NotionとKDDIのAI活用戦略が取り上げられています[3][1]。
**宇宙・ロケット技術:**
カイロスロケット3号機の打ち上げ失敗と原因調査[4]、H3ロケット8号機の打ち上げ失敗に関する調査状況が報告されています[3]。
**通信・半導体業界:**
NTT、KDDI、ソフトバンク、楽天グループの4社決算まとめ[1]、NVIDIAの2026会計年度第4四半期決算[3]、キヤノンとニコンの半導体露光機事業の動向が紹介されました[2]。
## コンテンツ構成
各配信は一貫した構成で、オープニングトーク、トピック紹介まとめ、4つの個別トピック解説、エンディングで構成されています[1][2][3][4]。配信時間は約10分を目安とし、毎週月曜日の朝に配信される形式です[1][2][3][4]。
## 今後の展開
3月16日配信分は編集中のステータスで、「パナソニックGが技術系新卒採用の学校推薦を廃止」などのトピックを扱う予定です[5]。台本欄は空白となっており、コンテンツ制作が進行中と考えられます[5]。
必要に応じて、さらに深掘りした質問をAIに投げかけることができる。「過去の台本の内容と再生数から、今後再生数を伸ばすためにはどのような取り組みが必要でしょうか?」と質問してみる。
# 再生数向上のための改善提案
## 現状分析
**再生数の傾向:**
初回配信(2月16日)が197回と最高値を記録し[1]、その後は170回[3]→100回[2]→92回[4]と減少傾向にあります。これは新規性への関心の高さと、継続視聴者の定着に課題があることを示唆しています。
**高再生数コンテンツの特徴:**
最も再生された配信は「大手通信キャリア4社決算まとめ」で、複数企業を横断的に比較する構成でした[1]。2番目の「NVIDIA決算・H3ロケット・Notion×慶應義塾・パナソニックコネクト」も多様なトピックを扱っています[3]。
## 推奨される取り組み
### 1. タイトル・サムネイル戦略の強化
**具体的施策:**
- 数字を活用したインパクトのあるタイトル(例:「作業時間97%削減」「4社決算比較」)[1][3]
- リスナーの関心が高い企業名を前面に出す(NVIDIA、パナソニック、通信大手など)[1][3]
- 「まとめ」「比較」「〇〇選」などの網羅性を示すキーワードの使用[1]
現在のタイトルは日付と簡単な内容のみですが[2][4][5]、より具体的な数値や企業名を含めることで検索性とクリック率が向上すると考えられます。
### 2. コンテンツ構成の最適化
**トピック選定の改善:**
- ビジネスインパクトの大きい決算情報や業界動向を優先的に配置[1][3]
- AI関連トピック(特に具体的な削減率や効果を示すもの)は高い関心を集める可能性[3]
- 宇宙・ロケット技術は話題性はあるものの、ビジネス視聴者への訴求力は限定的[3][4]
**情報の深さと実用性:**
- Windows 11のカスタマイズ方法など、実務に直結する「How-to」コンテンツの増加[4]
- パナソニックコネクトの「4つのポイント」のような、アクション可能な情報の提供[3]
- 単なるニュース紹介ではなく、ビジネスへの影響分析を充実[1][2]
### 3. シリーズ化・連続性の構築
**継続視聴を促す仕組み:**
- 「月次決算シリーズ」として定期的に主要企業の業績を追跡[1]
- 「AI活用事例シリーズ」で業界別の導入事例を継続紹介[2][3]
- 前回の続報や関連情報を意識的に配信し、視聴の習慣化を促進
現在は各回が独立したトピック集になっていますが[1][2][3][4]、テーマの連続性を持たせることで「次回も聴きたい」という動機づけが可能です。
### 4. リスナー参加型要素の追加
**エンゲージメント向上施策:**
- 配信内で次回予告を具体的に実施(現在のエンディングは定型文のみ)[1][2][3][4]
- リスナーからの質問やトピックリクエストを募集・回答するコーナーの設置
- SNSやメモ欄を活用したフィードバック収集と反映[1][2][3][4]
メモ欄には再生数のみが記録されていますが[1][2][3][4]、視聴者の反応やコメントも記録・分析することで改善サイクルが加速します。
### 5. 配信時間・頻度の見直し
**到達率の改善:**
- 月曜朝の配信は継続しつつ、SNSでの事前告知を強化[1][2][3][4]
- 週末や前週金曜日に「次回予告」を配信し、認知を高める
- 10分という長さは適切だが、最初の1-2分で「聴くべき理由」を明確化[1][2][3][4]
### 6. プラットフォーム連携の強化
**マルチチャネル展開:**
- VoicyのURL[1][2][3][4]に加え、TECH+記事への誘導を強化(現在は口頭での案内のみ)[2][3][4]
- 台本の一部をブログ記事化し、音声コンテンツへの入口を増やす
- 各トピックの詳細記事リンクを配信説明欄に明記
## 優先順位の高い施策(短期実施可能)
1. **タイトルの改善**(即時実施可能):次回配信[5]から「3月16日配信」→「パナソニックGが学校推薦廃止 | 2026年新卒採用の新潮流」のような具体性の追加
2. **トピック選定基準の明確化**(次回配信から):「ビジネスインパクト」「実用性」「話題性」の3軸で評価し、スコアの高いものを優先
3. **次回予告の追加**(次回配信から):エンディングに30秒程度の具体的な予告を追加[1][2][3][4]
4. **メモ欄の活用拡大**(運用改善):再生数[1][2][3][4]に加え、視聴者コメント、SNS反応、改善点を記録
## 中長期的な取り組み
- 四半期ごとのリスナーアンケート実施
- 業界別・テーマ別の特別編の企画(月1回程度)
- ゲスト出演による専門性と話題性の向上
- 音声コンテンツからの記事化・動画化によるコンテンツ再利用
これらの施策により、初回配信の197回[1]を基準値として、安定的に200回以上の再生数を目指すことが可能と考えられます。
たった1~2行のプロンプトで、非常に詳細な示唆が得られた。タイトルの工夫やトピック選定の改善といった短期的に取り組めるものから、ゲスト出演、音声コンテンツからの記事化など、中長期的な取り組みが必要なものまで、AIの提案も幅広い。
これらの提案を取り入れながら企画を改善し、リスナーに聞いていただける番組作りに挑戦してみよう。ダイエット企画と並行して、こちらも良い報告ができるよう進めたい。
kintoneのAI機能を活用して2カ月で2.8キロ減量
さてさて、本連載の本丸(?)であるダイエット企画にも触れておこう。決してサボっているわけではないことを、示しておきたい。
初期と比較すれば緩やかではあるが、数値として成果が出ていそうだ。そして、「レコード一覧分析AI」による分析結果が以下の通り。
# 健康管理データサマリーレポート
## 概要
本レポートは、2026年2月2日から2026年3月26日までの約2ヶ月間における熊谷知泰氏の体重、体脂肪率、運動記録を分析したものです。
全39件の記録が含まれており、体重管理と運動習慣の推移を示しています。
## 主要な指標
### 体重の推移
開始時の体重は81.4kgでしたが[1]、期間終了時には78.6kgまで減少しています[39]。
約2.8kgの減量に成功しており、最高値は82.1kg[2]、最低値は78.5kg[20]でした。
3月中旬以降は78kg台で安定的に推移しています[36][37][38][39]。
### 体脂肪率の変化
開始時の体脂肪率は24.1%でしたが[1]、最終的には23.0%まで低下しました[38][39]。
最高値は24.5%[2]、最低値は22.8%[36]で、約1.1%の改善が見られます。
3月に入ってからは23%前後で安定しています。
## 運動実績
### ランニング活動
期間中、計10回のランニングを実施しました。
総走行距離は76.16km、総運動時間は492分(約8.2時間)に達しています[2][4][6][9][10][12][16][19][21][22][24][26][28][31][32][34]。
最長距離は12.6km(84分)[32]、最短は3km(20分)[6]でした。
### 筋力トレーニング
ベンチプレスは主に60kgで実施され、最大70kg×5回の記録があります[22]。
懸垂や腕立て伏せも定期的に行われており、特に懸垂は5~10回[4][10][16][26][31][35]、腕立て伏せは20~40回[3][7][14][17][28]の範囲で実施されました。
筋トレは週に1~2回程度のペースで継続されています。
## 主な結論
約2ヶ月間で体重2.8kg減、体脂肪率1.1%減という着実な成果が確認できました。
ランニングと筋力トレーニングを組み合わせたバランスの良い運動習慣が確立されており、3月以降は体重・体脂肪率ともに安定期に入っています。
継続的な記録管理により、健康的な減量と体組成改善が実現されたと評価できます。
都内では桜が咲き暖かい日も増え、ランニングに慣れた筆者は気まぐれで10キロメートルほど走れる日も出てきた。そして調子に乗り、5月に開催されるハーフマラソンに申し込んでしまった。参加費はすでに振り込んだので、自己都合のキャンセルでは返金されない。
こちらには「レコード一覧分析AI」という強い味方がいるので大丈夫だろう。練習の記録から新しい練習メニューを作ってもらうこともできる。文字通り、AIと二人三脚での挑戦だ。
ただ、やはり少しだけ、数カ月後の自分が「記事で全世界に発信するんじゃなかったな」と後悔しないことを願わずにはいられない。









