今回は「定型句」という機能の使い方を紹介する。時候の挨拶、結びの言葉、連絡先(会社の住所)など、よく使用する文章を定型句として登録しておくことで文字入力の手間を簡略化するのが一般的な使い方だが、それ以外にも幅広い用途に応用できる。

今回はその基礎編ということで、定型句の登録と挿入、インデントが含まれる場合の注意点(対処法)などを紹介しよう。

  • 定型句の活用と注意点(インデントを含む場合の対処法)

    定型句の活用と注意点(インデントを含む場合の対処法)

定型句の基本的な使い方

「時候の挨拶」や「結びの言葉」など、ビジネス文書では定型の表現(常套句)を使用する機会がよくある。こういった文章を定型句として登録しておくと、文章を入力する手間を少しだけ簡略化できる。

まずは、よく使う文章を「定型句」として登録する方法から紹介していこう。定型句として登録する文章を選択し、「挿入」タブを選択する。続いて「クイックパーツ」をクリックし、「定型句」→「選択範囲を定型句ギャラリーに保存」を選択する。

  • 定型句の登録(1)

    定型句の登録(1)

以下の図のようなダイアログが表示されるので、適当な「名前」を付けて「OK」ボタンをクリックする。これで定型句の登録は完了となる。

  • 定型句の登録(2)

    定型句の登録(2)

続いては、登録した定型句を文書に挿入するときの操作手順を紹介していこう。定型句を挿入する位置にカーソルを移動し、「挿入」タブにある「クイックパーツ」をクリックする。あとは「定型句」→(登録した文章)を選択するだけ。これで登録済みの文章を一瞬で入力することが可能となる。

  • 定型句の挿入

    定型句の挿入

  • 文書に挿入された定型句

    文書に挿入された定型句

そのほか、登録時に指定した「名前」を入力して定型句を挿入する方法も用意されている。たとえば、今回の例では「多忙」という名前で定型句を登録した。この名前をそのまま文書に入力すると、以下の図のようなポップアップが表示される。この状態で「Enter」キーを押すと、その定型句をカーソル位置に挿入できる。

  • 「定型句の名前」を入力してEnterキーを押す

    「定型句の名前」を入力してEnterキーを押す

  • 文書に挿入された定型句

    文書に挿入された定型句

このように、よく使う文章を手軽に入力できる機能が「定型句」となる。もちろん、登録した定型句はWord本体に保存されるため、他のWord文書でも利用できる。文書作成の手間を少しだけ省力化してくれる機能として、覚えておくと役に立つだろう。

複数の段落をまとめて定型句に登録

文書の最後に記す連絡先(会社の住所)など、複数行にまたがる文字(段落)を定型句として登録しておくことも可能だ。念のため、こちらの操作手順も紹介しておこう。

定型句として登録する段落をまとめて選択し、「挿入」タブにある「クイックパーツ」から「定型句」→「選択範囲を定型句ギャラリーに保存」を選択する。あとは適当な「名前」を付けて「OK」ボタンをクリックするだけ。基本的な操作手順は先ほど示した例と同じだ。

  • 定型句の登録(1)

    定型句の登録(1)

  • 定型句の登録(2)

    定型句の登録(2)

定型句を文書に挿入するときの操作手順も特に変わった点はない。「挿入」タブにある「クイックパーツ」をクリックし、「定型句」→(登録した文章)を選択すればよい。これで複数行(複数の段落)の文章をまとめて入力できる。

  • 定型句の挿入

    定型句の挿入

  • 文書に挿入された定型句

    文書に挿入された定型句

このように段落ブロックを「定型句」として利用する方法もある。便利に活用できる使い方なので、ぜひ覚えておくとよいだろう。

インデントが含まれる場合の対処法

連絡先などの文字を文書の右下に記載するとき、インデントで配置を調整しているケースもあるだろう。定型句には「文字」だけでなく「書式」も一緒に記録されるため、このようなケースにも問題なく対応できる。

  • インデントのある段落を定型句に登録

    インデントのある段落を定型句に登録

ただし、まれに不具合が生じてしまうこともある。上図に示した例を使って詳しく紹介していこう。挿入位置にカーソルを移動し、「クイックパーツ」から「定型句」→(登録した文章)を選択する。

  • 定型句の挿入

    定型句の挿入

すると、今回の例では、以下の図のように(登録した文章)の1行目だけが表示される結果となった。本来なら2行目、3行目が表示される位置は、なぜか空白になってしまっている。

  • 挿入された定型句(不具合あり)

    挿入された定型句(不具合あり)

このように「インデントを含む段落」では、定型句の挿入時に不具合が発生してしまう場合がある(正しく挿入される場合も多い)。こういった不具合の対処法を紹介しておこう。1行目の末尾にある「改行」を選択した状態で「Enter」キーを押す。

  • 改行の再入力

    改行の再入力

これで、定型句の2行目が正しく表示されるようになる。ただし、まだ3行目は表示されていない。先ほどと同様に、2行目の末尾にある「改行」を選択した状態で「Enter」キーを押す。

  • 2行目でも改行を再入力

    2行目でも改行を再入力

すると、定型句の3行目が正しく表示される。このように、改行の再入力(書き換え)を行うことにより、2行目以降を正しく表示できるケースもある。ひんぱんに生じる不具合ではないが、いざという時に備えて頭に入れておく必要があるだろう。

  • 正しく表示された定型句

    正しく表示された定型句

オプションの指定について

続いては、定型句のオプション設定について補足しておこう。定型句の登録画面には「オプション」という設定項目があり、以下の図のような3つの選択肢が用意されている。

  • オプションの選択肢

    オプションの選択肢

この設定項目は、選択した文字を「文字」として扱うか、それとも「段落」として扱うかを指定するものとなる。上図のように「改行を含まない状態」で文字を選択した場合を例に解説していこう。なお、ここでは「これは」と「です。」の間に定型句を挿入するものとして話を進めていく(以下の図を参照)。

  • 定型句を挿入する位置

    定型句を挿入する位置

まずは、定型句の登録時に「内容のみ挿入」(初期値)を指定していた場合だ。この場合は、定型句は「文字」として挿入される。

  • 「内容のみ挿入」で登録した場合

    「内容のみ挿入」で登録した場合

一方、オプション設定を「内容を段落のまま挿入」に変更して登録した場合は、定型句が「段落」として扱われるようになる。このため、前後に「改行」が自動挿入される。

  • 「内容を段落のまま挿入」で登録した場合

    「内容を段落のまま挿入」で登録した場合

同様に、オプション設定を「内容をページのまま挿入」を変更していた場合は、定型句が「ページ」として扱われるため、前後に「改ページ」が自動挿入される。

このように、定型句の登録方法は「文字/段落/ページ」の3種類が用意されている。とはいえ、一般的な用途であれば、さほど気にしなくても構わない。というのも、「改行を含む状態」で文字を選択しておけば、それらの改行も定型句に記録されるからだ。

たとえば、先ほど紹介した連絡先の例では「改行を含む状態」で3つの段落を選択した。この場合、定型句の登録方法が「内容のみ挿入」のままでも、改行アリの状態で定型句が挿入される。つまり、段落の挿入と同じ結果になる。些細な点ではあるが、念のため覚えておくとよいだろう。

ということで、今回は定型句を使って「文字」や「段落」を瞬時に入力する方法を紹介した。これが定型句の一般的な使い方となるが、そのほかにも便利な活用方法がある。それは「文書の雛形」として定型句を利用する方法だ。次回は、定型句を使って「文書の書式指定」を瞬時に済ませる方法を紹介していこう。