今回は「文字の入力や修正」をアシストしてくれる便利な機能を、小技集のような感じで紹介していこう。地味なテクニックではあるが、文字の入力/修正はひんぱんに行う作業であるため、その効果は意外と大きい。Wordならではの「クリップボード履歴」も便利に活用できる。まだ知らない機能がないか、念のため確認しておくとよいだろう。
変換をミスした漢字の修正
まずは、文字を修正するときのテクニックから紹介していこう。以下の図は、「順次」と記載すべきところを間違って「淳二」と入力してしまった例だ。漢字変換が必要な日本語において、誤変換は頻発するミスのひとつといえる。
こういった変換ミスを修正するときに、もういちど「じゅんじ」とタイピングしなおしている人もいるだろう。でも、この操作は不要だ。すでに入力されている文字を変換しなおすときは、その文字を選択するだけでよい。
この状態でキーボードの「変換」キーを押すと、変換候補の一覧を再表示できる。あとは、適切な候補を選択するだけ。これで文字修正を完了できる。わざわざ「じゅんじ」とタイピングしなおす必要はない。
この機能はWindows(Microsoft IME)に標準装備されている機能となるため、Word以外のアプリケーションでも利用できる。なお、Wordでは、同様の操作を「スペース」キーでも実行できるようになっている。「変換」キーよりも操作しやすいため、あわせて覚えておくと役に立つだろう。
日付や時刻の自動入力
次は「日付」や「時刻」を素早く入力する方法を紹介していこう。ビジネス文書では「日付」を入力する機会が多いため、微力ながらも重宝するはずだ。
たとえば「今日の日付」を入力するときは、「きょう」とタイピングして「スペース」キーを押せばよい。すると、予測入力の候補に「今日の日付」が表示される。
さらに「スペース」キーを押して候補の数を増やすと、「西暦/和暦/月日(曜日)」といった3種類の表記方法が表示される。あとは好きな表記方法を選択するだけ。これで「今日の日付」を入力できる。
この機能の便利な点は、いちいちカレンダーを確認する必要がないこと。「今日は何日だっけ?」と卓上カレンダーを引っ張り出したり、スマホを見たりする必要はない。こういった確認作業を省けることが最大の利点となるだろう。
同様に「あした」や「きのう」、「あさって」などとタイピングして、その日の日付を素早く入力することもできる。そのほか、「いま」とタイピングして「現在の時刻」を入力する機能も備えられている。
これらもWindows(Microsoft IME)に標準装備されている機能となるため、Word以外のアプリケーションでも利用できる。また、Word独自の日付入力機能も用意されている。たとえば「令和」と入力すると(漢字変換を確定すると)、以下の図のようなポップアップが表示される。この状態で「Enter」キーを押すと、和暦で「今日の日付」を自動入力できる。
日付を西暦で入力したい場合は「2026年」のように現在の年を入力すればよい。この場合も同様のポップアップが表示される。あとは「Enter」キーを押すだけ。これで「今日の日付」を自動入力できる。
カッコの種類を自動的に対応させる
日本語の入力において、意外と手間がかかるのが「カッコの入力」だ。日本語の文書でよく見かけるカッコは「 」や( )をはじめ、『 』、【 】、< >、《 》など、実に多種多様である。
これらのカッコを入力する際に「カッコ始まり」と「カッコ終わり」を別々にタイピングしている人もいるだろう。でも、これは効率の悪い入力方法となる。文字をカッコで囲むときは、前後のカッコを含めて一気にタイピングするのが基本だ。
その後、「スペース」キーを押して漢字変換を行うと、以下の図のようになる。最初は「カッコ始まり」が変換対象になっているはずだ。
さらに「スペース」キーを押して変換候補を選択していくと、「カッコ始まり」の種類に応じて「カッコ終わり」も自動変換される。このように、前後のカッコを含めた形で変換作業を行うと、カッコの種類を統一する手間を省くことが可能となる。
一方、前後のカッコを個別にタイピングした場合は、カッコの種類が一致するように変換候補を自分で選択する必要がある。これは単なる手間でしかなく、ミスの原因にもなりかねない。
すでに入力されている文字のカッコを変更するときも同様だ。この場合は「カッコ始まり」から「カッコ終わり」まで選択した状態で「変換」キー(または「スペース」キー)を押せばよい。
「カッコ始まり」を再変換できるようになるので、カッコの種類を選択する。すると、それに応じて「カッコ終わり」の種類も自動変更される。前後のカッコを個別に変更する必要はない。
このような仕組みがあることを知っていれば、タイピング時にカッコの種類を気にする必要もなくなる。とりあえずは( )をタイピングしておき、それを「 」や【 】、《 》などに変換する、という考え方で操作を進められる。
クリップボード履歴の活用
Wordには、「Ctrl」+「C」キーでコピーした文字などを最大24個まで記憶できる「クリップボード履歴」が装備されている。このため、直前にコピーした文字だけでなく、それ以前にコピーした文字も文書に貼り付けることが可能となっている。
クリップボード履歴を利用するときは、「ホーム」タブの「クリップボード」グループの右下にある「小さい四角形」をクリックすればよい。すると、これまでにコピーした文字の履歴が一覧表示される。
もちろん、これらの履歴をクリックして、その文字をカーソル位置に挿入することも可能だ。記述が難しい単語が何種類も登場する場合などに活用するとよいだろう。
なお、上図を見るとわかるように、クリップボード履歴から貼り付けた文字は「コピー時の書式」も引き継がれる仕様になっている。書式なしで貼り付けたい場合は「貼り付けのオプション」ボタンをクリックし、以下の図に示したアイコンを選択すればよい。すると、書式の情報が削除され、文字(テキスト)だけを貼り付けることができる。
また、簡易的なものではあるが、クリップボード履歴の編集機能も用意されている。不要になった履歴(または重複している履歴)を削除するときは、各項目の右端に表示されるボタンをクリックして「削除」を選択すればよい。そのほか、全履歴を削除する「すべてクリア」ボタンも用意されている。
文字の入力(修正)は、Wordで文書を編集するときに多くの時間をかける作業となる。それを少しでも省力化できれば、それだけ作業効率の向上を期待できる。今回の記事で紹介した内容はささいな小技だが、こういった入力方法があることを学んでおくと、きっと仕事に活かせるだろう。



















