Windows Reportは2026年11月2日(現地時間)、「Malicious Claude Code Extension Exposes 5,000 Developers to SSH Backdoors」において、AIコードエディター「Cursor」の拡張機能マーケットプレイスから悪意のある拡張機能が配布されたと報じた。

悪意のある拡張機能はAnthropic公式のClaude Code拡張機能「Anthropic.claude-code」の改変バージョンで、最大5000人の開発者が影響を受けた可能性があるという。

悪意あるコードが自動実行、端末情報の収集とSSHバックドア設置を試行

影響を受けるのは、問題の公開期間中にCursorの拡張機能マーケットプレイスから対象バージョンをインストール、または更新したWindowsおよびmacOSの利用者だ。

問題の拡張機能は2026年10月29日(太平洋時間)の午前2時27分から午後1時35分まで、約11時間にわたり公開された。バージョンは「2.1.312」および「2.1.313」とされる。Cursorのセキュリティ勧告によると、この拡張機能は端末への継続的な遠隔アクセスを確保するため、SSHバックドアの設置を試みるという。

PhorionおよびOpenSourceMalwareのセキュリティ研究者らは、拡張機能内の「extension.js」ファイルから悪意あるJavaScriptコードを発見した。このコードは拡張機能を読み込むと自動実行され、追加の操作を必要としなかった。

実行されたコードは、ユーザー名、ホスト名、パブリックIPアドレス、環境変数名、Gitのメールアドレスなど、端末や利用者に関する情報を収集した。さらに、攻撃者のSSH公開鍵を端末に登録し、外部サーバへのリバースSSHトンネルを確立しようとした。

不正アクセスの永続性確保にmacOSではLaunchAgents、Windowsではスケジュールタスクやスタートアップスクリプトが利用された。攻撃者のインフラへの再接続も約1分間隔で試みる設計だった。

ただし、研究者はマルウェアに実装上の不備があることも確認した。Cursorによると、悪意あるコードにエラーがあったほか、端末側でSSHサービスを有効にするには管理者権限が必要だったため、多くのWindowsおよびmacOS環境では遠隔アクセスに失敗した。それでも、攻撃者のSSH鍵の登録や永続化の仕組みの設置、端末情報の送信は実行されたという。

Microsoftも10月30日、Inside a malicious Claude Code-branded extension and its persistent SSH backdoorにおいて、悪意ある拡張機能に含まれていたJavaScriptの分析結果を公開した。

同社は、攻撃者のSSH公開鍵の登録やリバースSSHトンネルの確立、端末への永続化を試みる仕組みを確認した。また、Anthropicから同社のシステムが侵害されていないことを確認したと説明している。Microsoftの拡張機能マーケットプレイスやnpmで悪意あるパッケージが配布された事実も確認されていないという。

Cursorが拡張機能を削除、利用者にSSH設定の確認と認証情報の更新を推奨

Cursorは問題が発覚した後、不正な拡張機能を削除し、拡張機能マーケットプレイス全体を一時的に停止した。その後、ほかの拡張機能が改ざんされていないことを確認し、アクセスキーのローテーションやマーケットプレイスの再構築を実施して、サービスを再開した。また、ホスティング事業者と連携して攻撃者のサーバを停止した。

同社は、Claude Code拡張機能のほかのバージョンや公式配布経路が侵害された証拠は確認していないと説明した。

Cursorは、対象バージョンの拡張機能をインストールした開発者に対し、影響の確認を呼びかけている。具体的には、SSHの認証済み公開鍵を管理する「authorized_keys」ファイルに、攻撃者の鍵を示す「svc-telemetry」が含まれていないか確認するよう勧告した。

悪意あるコードは拡張機能とは別に永続化用のスクリプトを配置するため、拡張機能をアンインストールするだけでは不正な処理が残る可能性がある。このため、Cursorは侵害の疑いがある端末をネットワークから隔離し、修復作業を実施するよう推奨している。修復作業ではmacOSおよびWindows向けの修復スクリプトの活用を提案している。

スクリプトが正常に動作しない場合など、安全を確認できない場合はシステム全体の再構築も求めた。さらに、認証情報やセッション情報を流出した可能性があることから、デバイス上に存在したすべての認証情報のパスワード変更、およびセッション情報のローテーションを信頼できるデバイス上で実施するように推奨している。