富士通は10月29日、2026年度第2四半期および上期の決算を発表し記者説明会を開いた。連結合計の売上収益は前年同期比3.8%増の1兆6263億円、調整後営業利益は同73億円減の1139億円だった。

  • 富士通 2026年度上期 連結業績

    富士通 2026年度上期 連結業績

サービスソリューションは増益となった一方で、ハードウェアソリューションの部材高騰や先端テクノロジー開発投資の拡大などが影響した。

Uvanceやモダナイゼーションを中心とするサービスソリューションは増収増益基調が継続。売上収益は同629億円(5.9%)増の1兆1294億円、調整後営業利益は同141%(11.8%)増の1337億円だった。

ハードウェアソリューションは為替変動の影響などから増収となった一方で、メモリなど部材高騰によって減益。ユビキタスソリューションは前年のWindows10サポート終了に伴う需要の反動から減収減益だ。

代表取締役副社長 CFOの磯部武司氏は「年間の調整後連結業績の見通しに変更はない。今年度も過去最高益の更新に向けてしっかり進めていく」と述べた。

  • 富士通 代表取締役副社長 CFO 磯部武司氏

    富士通 代表取締役副社長 CFO 磯部武司氏

中心事業のサービスソリューションは増収増益

サービスソリューションはUvanceを中心に成長が継続しており、上期の売上収益は前年同期比629億円(5.9%)増の1兆1294億円だった。エンタープライズ向けでは製造が、パブリック向けでは官公庁・自治体、防衛、金融、公営競技などでそれぞれ伸長している。

調整後営業利益は同141億円(11.8%)増の1337億円。AIデリバリ開発基盤の拡充やFDE(Forward Deployed Engineer)強化などにより投資は拡大したが、増収効果と採算性の改善によって増益を記録した。

  • サービスソリューションの売上収益

    サービスソリューションの売上収益

上期の受注は前年から109%の伸長となった。エンタープライズ向けでは特に自動車・組立・化学など製造業が111%伸長で、AI組み込み型のより付加価値の高い案件が増加しているという。さらにはソブリンクラウドの受注もあった。

パブリック向けの、特に金融は前年のメガバンク向け大型商談の影響から受注は前年を下回り95%。ミッションクリティカル・ナショナルセキュリティは防衛関連を中心に大型案件を獲得したとのことだ。

  • サービスソリューション国内の受注状況

    サービスソリューション国内の受注状況

磯部氏は「総じて、DX関連を中心に引き続き幅広い業種でデマンドの拡大傾向が続いている」と説明。

年間の売上計画1兆9600億円に対し、上期の売上実績と下期の受注残は計1兆5572億円。すなわち下期の要獲得額は4027億円だが、受注確度の高いパイプラインの総額は約7000億円とのことだ。

AIドリブンのモダナイゼーションでさらなる事業拡大へ

同社が事業成長の要と位置付けるUvanceは、受注高が前年同期比22%増の3887億円、売上収益は同26.5%増の3934億円だ。前年にリリースしたUvance for Finance や Uvance for Retailなどが成長を後押しした。

サービスソリューション全体の売上に占める構成比も、前年度の29%から35%に達している。これは2026年度の計画値を上回っている。

  • Uvance受注・売上状況

    Uvance受注・売上状況

同社が掲げるもう一つの成長の柱が、モダナイゼーション。上期の受注高は同56%増の2399億円、売上収益は同20%増の1941億円だった。

「AIドリブンのモダナイゼーションを拡大し、さらなる品質向上や移行期間の短縮を図ることで、自社のモダナイゼーションにとどまることなくビジネス拡大を実現していく」(磯部氏)

  • モダナイゼーション受注・売上状況

    モダナイゼーション受注・売上状況

ハードウェア事業は増収も減益、部材高騰が影響

ハードウェアソリューションの売上収益は前年同期比242億円(5.7%)増の4491億円、調整後営業利益は同80億円(64%)減の45億円で着地した。

システムプロダクトは海外向けの所要増に加え、為替の影響もあり伸長。その一方、利益面では部材のコスト高騰があり減益だった。上期の売上のうち約8割が前年度に受注済みの案件であり、契約後のコスト増が響いた。

そのため、今年度の受注からは直近のコスト変動に合わせて価格を決定できる契約に変更している。

  • ハードウェアソリューションの状況

    ハードウェアソリューションの状況

ユビキタスはWindows10特需の反動で減収減益、全社の先端技術投資は継続

ユビキタスソリューションの売上は前年同期比233億円(20.6%)減の898億円、調整後営業利益は同83億円(38.3%)減の134億円となった。前年のWindows10更新需要の反動を受けた。

また、次世代CPU(MONAKA)、フィジカルAI、量子コンピュータなど先端テクノロジーの開発投資を計画通り進め、前年から51億円の費用増となった。

  • ユビキタスソリューションの状況

    ユビキタスソリューションの状況