この半導体ニュースのまとめ

・SK hynixの第3四半期売上高は前年同期比328%増の104兆6155億ウォンで過去最高
・HBM4は第4四半期に出荷量・売上高ともHBM3Eを上回り、主力製品となる見通し
・2027~2028年の総生産能力の50%超を長期契約で確保、メモリ不足は2030年まで継続と予測

SK hynixは10月28日、2026年第3四半期(7~9月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比328%増、前四半期比32%増の104兆6155億ウォン、営業利益は前年同期比632%増、前四半期比38%増の83兆3338億ウォンで、営業利益率は80%となった。純利益は前年同期比216%増の39兆7756億ウォン。AI向け高付加価値メモリの需要拡大を背景に、売上高と営業利益は過去最高を更新し、売上高は同社史上初めて100兆ウォンを突破した。

  • SK hynixの2026年第3四半期の決算概要

    SK hynixの2026年第3四半期の決算概要 (出所:SK hynix、以下すべて同様)

DRAMはサーバ向けDDR5の販売が増加したほか、HBM4の出荷が本格化。第4四半期にはHBM4の出荷量と売上高がHBM3Eを上回り、主力製品になる見通しだ。NANDでは321層TLC eSSDやデータセンター向け高付加価値製品が成長した。

  • 2026年第3四半期におけるSK hynixのHBM、DRAM、NANDの状況

    2026年第3四半期におけるSK hynixのHBM、DRAM、NANDの状況

メモリ不足は2030年まで継続の見通し

同社は、AIによる生産性向上と収益創出が普及を促し、インフラ投資を呼び込む好循環が形成されたと分析する。AI投資も大手企業から一般企業や国家レベルへ広がっており、世界のAIデータセンター市場は成長が続くとみている。

短期的には企業・個人向けAI、中長期的には自動運転やロボットなどのフィジカルAIがメモリ需要をけん引すると予測。一方、先端プロセスの技術的難易度と工場建設に必要な期間を踏まえ、需要が供給を上回る状況は2030年まで続くとの見方を示した。

  • SK hynixの第3四半期の主な結果と市場見通し

    SK hynixの第3四半期の主な結果と市場見通し

HBM4と321層NANDを増産

供給拡大に向け、DRAMでは第6世代(1c)10nmクラスプロセスの比率を高め、AIサーバ向けDDR5とLPDDR5 SOCAMMを拡販する。

2026年末までにFab M15Xの生産能力を最大まで引き上げ、HBM4を増産。NANDも第4四半期に、韓国での321層品の生産比率を半分以上へ高め、高性能・大容量eSSDの供給を拡大する。中長期的にはHBFやシステム最適化技術を活用し、NANDをAIサービスの性能と経済性を支えるソリューションへ発展させる。

2027~2028年の生産能力の5割超を長期契約で確保

SK hynixは、大手クラウドサービスプロバイダーを含む主要顧客14社と長期契約(LTA)を締結し、2027年と2028年の総生産能力の50%超に相当する数量を確保した。

契約価格には、合意した価格帯で市場状況を反映する仕組みを採用し、収益の安定性と市場変化への対応を両立する。2027年には龍仁第1期工場が本格稼働する予定で、需要や収益性、投資効率を見極めながら設備投資を拡大する。

キオクシア投資の利益を株主へ還元

同社は2026年度に現金配当30兆ウォン以上、自社株買い・消却60兆ウォン以上を含む約100兆ウォンの株主還元を計画し、フリーキャッシュフローの50%以上を還元する方針を示している。

第3四半期は現金配当14兆ウォンと自社株買い20兆ウォンを決定。買い戻す株式のうち10兆ウォン分は消却し、残りの約10兆ウォン分は従業員報酬へ活用する。

1株当たり2万ウォンの配当は、業績改善による1万ウォンと、キオクシアへの投資利益を原資とする特別配当1万ウォンで構成される。同社はキオクシアへの投資で得た利益の大部分を株主へ還元するとしている。