このものづくり関連ニュースのまとめ
・ニコンがNEXIV用ソフトウェア「AutoMeasure」の新機能をJIMTOF 2026で披露
・測定順序の自動最適化、Auto Focusリトライ、測定コード提案の3機能を紹介
・APDIS MV5Xやロボットビジョンも展示し、測定・検査と製造工程の効率化を提案
ニコンは、10月26日から31日まで東京ビッグサイトで開催されている「JIMTOF 2026」に出展し、画像測定システム「NEXIV」で用いられる専用ソフトウェア「AutoMeasure」の新機能の紹介などを行っている。
測定箇所を巡回する順序を自動で最適化
NEXIVは、カメラで取得した画像から部品のエッジや形状を検出し、寸法、位置、高さなどを非接触で測定する画像測定システム。半導体や電子部品、精密部品など、ミクロンオーダーの公差管理が求められる製品の測定・検査に用いられており、特に近年の先端パッケージング需要の増大などを受けて、活用が進んでいるという。
ブースでは「NEXIV VMZ-S6555」の実機の動作デモとともに、専用ソフトウェア「AutoMeasure」の3つの新機能を紹介している。1つ目が、「測定順序自動最適化機能」。CAD参照マクロを利用して測定プログラム(測定計画)を作成する際、複数の測定箇所を巡回する順序を自動的に最適化することを可能とする。
測定箇所が多い部品では、測定する順番によって測定ヘッドの移動距離や全体の測定時間が変化する。測定順序を最適化することで、測定箇所間の不要な移動を減らし、効率良く検査を進められるようにする。測定対象や検査項目ごとに作業者が巡回順序を検討する負担も軽減し、測定プログラムの作成と実際の測定時間の双方を短縮する狙いがある。
Auto Focusに失敗しても自動で再試行
2つ目が「Auto Focusリトライ機能」である。画像測定では、測定対象の表面状態や形状、明るさなどの条件によって、Auto Focusが正常に完了しない場合があり、従来はオートフォーカスに失敗すると測定が停止し、作業者が状況を確認して再操作する必要があった。新機能を活用すると、オートフォーカス失敗時に、自動的にオートフォーカスの再試行を実施。任意のトライ数に応じて、撮影ポイントをずらすなどの対応を取りつつ、オートフォーカスでの撮影継続を可能とするとのことで、装置の停止時間を抑えるとともに、測定中における作業者の監視や再起動負担を減らすことにつなげることができる機能だという。
過去の入力情報から次の測定コードを提案
3つ目が「測定コード提案機能」。オペレーターがこれまでに入力した情報を学習しておくことで、新たな測定プログラムを作成する際に、次に入力する可能性がある測定コードの候補を先読みして提示するものとなる。測定作業そのものを自動化するわけではなく、候補を提示することでオペレーターの入力を支援し、測定プログラムの開発効率を高める機能となる。
画像測定システムでは、測定する部品や検査項目に応じて、測定位置や条件、使用するコードなどを設定する必要がある。測定箇所が多い部品や複雑な形状の部品では、プログラム作成時の入力項目も増える。測定コード提案機能によって、過去のプログラム開発で蓄積した入力情報を新たなプログラム作成へ活用し、すべてのコードを最初から入力する負担を軽減することを可能とする。
経験を持つオペレーターの作業を効率化するだけでなく、経験の浅い担当者による測定プログラムの開発も支援できるという。
なお、これらの機能は新規出荷のNEXIVシリーズでは初めから搭載されているほか、既存顧客であっても有料アップグレードも用意されているという。
APDIS MV5Xの実機デモも公開
レーザーレーダ「APDIS」は、対象物へ触れることなく、離れた場所から大型部品などの形状や表面を三次元測定する装置で、JIMTOF 2026では、その最新モデルとなる「APDIS MV5X」の実機デモが公開されている。
APDIS MV5Xは、従来モデルである「APDIS MV4x0シリーズ」の技術を基に、小型化、軽量化を果たしながら、高速・高精度な非接触自動測定を実現したモデル。重量は12kg未満で、外形寸法は幅228mm×奥行き228mm×高さ365mmのコンパクトボディを実現。光学系には、ニコンのカメラ用交換レンズ「NIKKOR レンズ」で培った技術・ノウハウを活用しているという。
デモでは、2mほど離れた距離に置かれた自動車のドア部のスキャンを実施。92か所の測定を約65秒で完了できる様子を示していた。
APDIS MV5Xは小型化した分、スキャン可能距離は10mほどであるが、実測で従来モデル比で2倍のスキャン速度を実現しつつ、「クラス1(IEC クラス I (IR))」の使い勝手を維持しており、さまざまなシーンでも活用が期待されるという。ちなみに、旅客機などの大型対象物に向けて、最大50mの範囲で測定が可能なAPDIS MV4x0シリーズも併売していくとしており、用途に応じた提案を行っていくとしている。
2D・3D同時認識でばら積み部品をピッキング
測定結果を実際の製造作業へつなげる展示が、ロボットビジョンシステムを使ったばら積みピッキングとなる。
デモでは、2Dと3Dの2種類のセンサが搭載されたロボットビジョンシステムが、箱内にランダムな位置や姿勢で置かれた部品を認識して、ピッキングして別の箱に移す作業が行われていた。
同社のロボットビジョンシステムの最大の特徴は、ロボットアームに直接取り付けて活用する方法を採用していること。動くロボットアーム上にセンサがあることから、アームの角度を変えることで、さまざまな位置からワークの形状を把握し、2D画像によるワークの輪郭や特徴と3D計測による高さや角度の認識を組み合わせて、柔軟かつ高精度な作業を実現することができるとする。
同じカメラを使って把持後のワークの位置ずれを計測・補正することも可能で、把持確認や位置補正のために別のカメラを追加する必要がなく、設備構成の簡素化につなげることもできるという。
現在、国内主要ロボットメーカーを中心に対応しており、今後も対応メーカーを増やしていく予定としている。
「測る」を起点に製造工程全体へ展開
このほか、同社ブースでは、工業用顕微鏡「AMS」、実体顕微鏡「SMZ」シリーズ、X線CT検査装置「VOXLS」シリーズ、測定顕微鏡、産業用カメラレンズ「Rayfact」、エンコーダーなども展示するなど、顕微鏡やX線CTで製品の表面や内部を可視化し、NEXIVやAPDISによって寸法や形状を定量化。その結果を品質判定やロボットによる作業へつなげる構成となっており、光学、精密測定、画像処理、ロボット制御を組み合わせ、観察から測定、データ活用、判断・実行までを一連の工程として提供することで、検査・品質管理の効率化と製造プロセスの継続的な改善に向けた提案を打ち出したものといえる。





