島村楽器、SAPジャパン、ワンアイルコンサルティングは10月26日、島村楽器が基幹システムの刷新に向け、小売業向けクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud Public Edition, retail, fashion, and vertical business」を採用したと発表した。ワンアイルコンサルティングが導入パートナーとして参画し、在庫、販売、購買、会計をつなぐ業務・データ基盤の構築を担当する。
店舗やECに分散する在庫・顧客情報を統合
島村楽器は、店舗に加えてEC、音楽教室、修理など複数の顧客接点を展開しているが、現行環境では在庫情報が物流、EC、店舗の各システムに分かれており、全社の在庫を一元的に把握することが難しかった。
顧客情報も店舗、EC、音楽教室、修理に分散し、同一の顧客として捉えにくい状況にあったという。また、財務会計と管理会計が分断され、損益の把握や月次の施策判断に時間を要することも課題となっていた。
こうした課題に対応するため、同社は小売・ファッション業界向けのパブリッククラウド型ERPであるSAP S/4HANA Cloud Public Edition, retail, fashion, and vertical businessを採用。基幹業務とデータを一つの基盤へ統合し、業務の標準化と経営管理に活用するとしている。
具体的には、全社在庫を一元化し、店頭とECのいずれでも、商品をいつ、どこから、何日で届けられるかをその場で案内できる環境の実現を目指す。また、店舗やECなどに分散していた顧客情報を会員IDで統合し、顧客ごとの提案やサービス提供に利用する計画だ。
このほか、財務・販売・在庫データを統合し、締め処理を待たずに店舗別・エリア別の損益をリアルタイムで把握できる経営基盤を構築する。これにより、経営状況を可視化するとともに、意思決定の迅速化を図るとしている。
今回の刷新により、島村楽器は、オムニチャネル展開の強化やAI活用を継続的に進めるための経営基盤を構築する。今後は、SAPのクラウドERPに継続的に組み込まれるAI機能や最新技術を活用し、店舗と本社の業務効率化や従業員の生産性向上、データに基づく迅速な意思決定につなげる方針だ。