伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は9月1日、ショウワノートの基幹システム刷新プロジェクトを開始したと発表した。クラウド型ERP「SAP Cloud ERP(Public Edition)」を採用し、標準機能を活かした業務プロセスへの移行を支援するとともに、標準性を維持しながら拡張性を確保する「クリーンコア」の考え方に基づき、変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築を進める。2027年6月の本番稼働を目指す。

  • ショウワノートの基幹システム刷新イメージ

    ショウワノートの基幹システム刷新イメージ

2027年6月の本番稼働へ、「クリーンコア」に基づき5つの業務領域を刷新

ショウワノートでは、長期にわたり利用してきた基幹システムの老朽化や硬直化により、事業環境の変化への迅速な対応やデータ活用の高度化、業務効率の向上が課題となっていた。また、サーバ保守の終了が見込まれる中、安定運用の継続に加え、将来の事業拡大や業務変化に対応できる拡張性の確保も求められていたとのことだ。こうした背景を踏まえ、同社は長年利用してきた基幹システムを刷新し、業務の標準化と効率化を通じた業務改革に取り組むことを決定したという。

CTCは、SAP Cloud ERPが備える業界標準のベストプラクティスを活用し、基幹システムの再構築を支援する。プロジェクトでは、生産管理/販売管理/購買・在庫管理/倉庫管理/会計管理の5つの業務領域を対象に、ショウワノートと共に既存業務を見直し、標準機能を最大限に活用した業務プロセスを整備する。継続的な機能更新を取り入れやすくし、法制度の改正や業務要件の変化にも柔軟に対応できる仕組みを実現するとしている。基幹システムに関連する周辺システムや外部アプリケーションとの連携機能は、「SAP Business Technology Platform(SAP BTP)」を活用して開発する。クリーンコアの考え方に基づいて連携機能を基幹システム本体から分離し、システム変更による影響を抑えるという。

一方、ショウワノートの主力製品である学習帳や文具に関わる固有業務では、ライセンス契約の条件や期間、対象商品、販売地域などに応じた個別管理が必要となる。特に、アニメ作品やキャラクターとのコラボレーションは同社の競争力を支える重要な要素であるため、契約や利用権などの版権管理に必要な機能は、CTCの開発ノウハウを活かして実現するという。

導入にあたっては、スマートフォンやタブレットからも利用できる環境を整備し、業務データの入力や参照の利便性を高める。あわせて、本番運用を見据え、ショウワノートの担当者が自律的にシステムを運用・保守できる体制づくりと人材育成を支援していく構えだ。

今回の基幹システム刷新により、業務プロセスの可視化・標準化を進め、担当者ごとに異なっていた作業手順や処理結果のばらつきの抑制を図る。あわせて、販売・在庫・会計などに分散していたデータを一元管理し、部門を横断したデータ活用の促進とシステム運用負荷の軽減につなげていくとしている。

編集部メモ

「クリーンコア」は、ERP本体への独自カスタマイズを抑え、標準機能をできるだけ維持しながら必要な機能を外部で拡張する考え方。SAPはこれによりシステムの複雑化を抑え、継続的な機能更新やAIなどの新技術を取り込みやすくすることをクラウドERPの重要な戦略としている。