NTTドコモと生和会は10月8日、患者一人ひとりの回復状況に応じてリハビリテーションを最適化する実証実験を12月1日から開始すると発表した。
今回の実証では、ドコモが開発した「人間拡張基盤」や、指の動作を支援する「パワーアシストミラーセラピーシステム」などを活用し、リハビリにおける訓練内容の調整や、患者の回復状況の可視化を目指す。
人工筋グローブで指の動きを支援、回復状況をデータ化
今回の実証では、「パワーアシストミラーセラピーシステム」を活用し、鏡に映った麻痺していない側の手指の動きをカメラで計測。取得したデータをもとに、リハビリが必要な手指に装着した人工筋グローブが手指の動きをアシストすることで、リハビリを実施する。
リハビリ時の指の関節角度や可動域、お手本となる動作との一致度、訓練の実施日時や回数といったデータを取得し、ドコモの「人間拡張基盤」に継続的に蓄積する。
これにより、患者本人の過去のデータや回復段階ごとの目安となるデータと比較し、時系列の推移としてグラフなどで可視化することで、リハビリの効果を客観的に把握できるようにするという。
回復状況に応じて訓練内容やアシスト量を調整
今回活用する「人間拡張基盤」は、ドコモが開発した、人間の感覚をネットワークで拡張可能にする基盤システム。センサーなどで取得した動作や感覚のデータを蓄積し、身体の特性や感じ方の個人差を考慮して、他者と共有することを可能にするもの。
また「FEEL TECH」は同基盤を活用して、他者の動作や感覚を受け手の身体や感じ方に合わせて変換・共有するドコモの人間拡張技術である。
今回の実証では、蓄積されたリハビリデータを活用し、理学療法士や作業療法士が患者の状態把握や最適なリハビリプログラムの作成に役立てる。
さらに「FEEL TECH」の技術を応用することで、各患者の日々の回復状態の変化に合わせて「パワーアシストミラーセラピーシステム」での訓練内容やアシスト量を調整し、最適なリハビリプログラムを提示できるようにするという。
12月から福山市の病院で実証、現場での有用性を検証
実証実験は12月1日から、広島県福山市の福山リハビリテーション病院で実施する。対象となるのは、同病院で手指のリハビリを受けている患者のうち、実証への参加に同意した人。
実証では、理学療法士や作業療法士へのヒアリングなどを通じて、システムの有用性や現場での運用における課題を評価する予定だ。
今回の実証では、ドコモが「人間拡張基盤」および「FEEL TECH」の開発・提供やリハビリデータの可視化機能の開発などを担当。生和会が実証フィールドの提供やリハビリに関する臨床知見の提供を行う。
また、広島大学が「パワーアシストミラーセラピーシステム」に関する研究成果・技術知見を提供し、ヒューマンモデルが同システムおよび動作計測システムの製作・提供を担当する。
