NTTドコモと北海道上ノ国町は10月6日、ドコモが開発した電気柵の安定運用を支援するシステムを活用し、クマ対策における同システムの有効性を検証する共同実証実験を開始したことを発表した。実証期間は11月30日までを予定している。
今回の実証では、上ノ国町内の住宅に隣接する山林エリアに同システムを導入し、クマ対策における有効性や実用性を検証する。実証場所には昨年度、クマの出没を受けて電気柵が設置され、上ノ国町職員が維持運用を行っている。
電気柵の電圧を遠隔で監視
今回ドコモが開発したシステムは、既設の電気柵にポール型の装置を後付けすることで、電気柵の状態を遠隔でモニタリング・制御できるようにするもの。
電気柵の各区間の電圧を常時遠隔監視し、電圧の低下を検知した場合には、その区間を特定する。その上で、電気回路のオン・オフを切り替える「リレー」装置を作動させ、故障した区間への通電を遮断する。
これにより、故障した区間のみを電気柵全体から自動的に切り離す。正常に動作している他の区間では必要な電圧を維持したまま運用を継続できるため、電気柵全体の機能停止を防ぐことが可能となる。
見回り・管理の負担軽減も検証
電気柵は、動物が柵に接触した際に微弱な電気刺激を与えて警戒行動を促すことで、人間と野生動物の生活圏を分ける手段として活用されている。
一方で、安定した電圧を維持するには継続的な点検や管理が必要となる。繁茂した草木との接触や野生動物との接触による断線などで漏電が発生すると、電圧が低下し、動物の侵入防止に必要な電気刺激が機能しなくなる場合があるという。さらに、一部で発生した不具合の影響が電気柵全体に波及し、全域で電圧が低下する可能性もある。
今回の実証では、上ノ国町内の住宅に隣接する山林エリアに同システムを導入する。実証場所には昨年度、クマの出没を受けて電気柵が設置され、上ノ国町職員が維持運用を行っている。
また、同システムを活用した効果的な運用方法や、故障箇所を特定するための見回りや管理にかかる作業負担の削減効果、電気柵を安定運用することによる心理的負担の軽減についても検証する予定だ。
実証は、上ノ国町内の住宅に隣接する山林エリアに設置された総延長約200~300mの電気柵を対象に実施する。上ノ国町の職員が実際にシステムを利用し、遠隔監視や故障発生時の状況確認、復旧作業などを行う。

