浜岡原発の再稼動申請を取下げ 中部電力の歴代3社長が辞任

電気料金の過大請求も判明

 

「今般の事案は2012年頃から長期間にわたり継続していたものであり、当時の経営トップとして早期にこの事案を把握し、是正することが出来なかったことについて、極めて重い責任があると認識している」 

 こう語るのは、中部電力会長の勝野哲氏。 

 中部電力は相談役の水野明久氏を含め、会長の勝野氏、社長の林欣吾氏が辞任を表明。浜岡原子力発電所3・4号機(静岡県)の再稼働に向けたデータ不正問題を受け、歴代3社長が辞任する事態となった。今後は原発の活用を目指す国のエネルギー政策にも影響を与えそうだ。 

 同社が9月11日に調査委員会から受領した「調査報告書」によると、一部の役職員において、自分たちの行動を正当化する発言が随所に見受けられたとし、社内に「独自の正当化理論」が存在すると指摘。また、新規制基準適合性審査の実態に対する経営層の理解が欠如したまま、経営層が進行の遅れに対して担当部署を叱責していたことが、「通常の業務遂行では達成困難な目標の充足を迫る圧力として作用し、不適切行為が行われた要因の1つになった」とした。 

 また、これとは別に子会社の中部電力ミライズでは、2024年4月以降、2年以上にわたって、約500万件の電気料金の過大請求があったことも判明。原価の算定に誤りがあったため、約12億円を返還するという。 

 こうした不祥事続きの事態を受け、同社は会社の信頼性に重大な疑義が生じている現状では、従前の申請を維持することは適切でないと判断。浜岡原発3・4号機の再稼働申請(設置変更許可申請)を取り下げた。 

 社長の林氏は陳謝し、「組織の機能不全を抜本的に解決し、ガバナンスおよび組織風土を解体的に再構築するため、経営体制の刷新と経営ガバナンスの改革を実行する」と強調した。 

 同社には10月1日付で、専務執行役員の安井稔氏(61歳)が社長に昇格するが、再発防止策を打ち出しても、「仏作って魂いれず」では意味がない。今後、同社がステークホルダーからの信頼を回復するには、安井氏をはじめとする社員一人ひとりの行動が問われる。

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