ENEOSと日本製紙は9月3日、木質資源や古紙などの非可食原料からつくる第二世代バイオエタノールの普及促進に向け、包括的パートナーシップを推進することで合意した。両社は製造技術の開発、原料調達、利用促進の各分野で連携していく構えだ。
2027年度中に日本製紙富士工場内のパイロットプラントで実証運転へ
両社は、第二世代バイオエタノール製造技術の確立に向け、パイロットプラントによる実証運転を2027年度中に開始する予定。ENEOSは日本製紙富士工場内でパイロットプラントの建設を進めており、日本製紙はバイオマス原料の供給と富士工場の一部敷地の提供、および実証プラントの運転を担当する。
バイオエタノールは、カーボンニュートラルの実現に向けて、自動車燃料やSAF(持続可能な航空燃料)、化学品用の原料など、さまざまな用途での利用が期待されている。国内ではバイオエタノールの導入拡大に向けた政策検討が進められており、2030年度までに最大濃度10%の低炭素ガソリンの供給開始を目指すことが掲げられている。
これらの用途に活用されるエタノールのうち、糖類やデンプンを含む可食原料からつくる第一世代に対し、非可食原料を用いる第二世代は、CO2排出量削減効果の向上に加え、食糧との競合回避や未利用資源の活用による原料調達の多様化が期待できるとされる。両社はこれまでも第二世代バイオエタノールに着目し、製造および利用促進・拡大の面で相互に協力してきた。今回のパートナーシップでは、原料調達の可能性についても協力して検討する。
ENEOSは、2025年5月に公表した中期経営計画において、バイオ燃料などの事業に力を入れる方針を掲げており、第二世代バイオエタノール由来の燃料・原料の製造技術などの検討を通じて、脱炭素社会の実現に貢献する考えだ。日本製紙グループは、これまで培ってきた紙の原料となる木質資源に関する知見を活用し、「木とともに未来を拓く総合バイオマス企業」として、バイオリファイナリー構想のもと、脱炭素社会の構築や地球温暖化対策に貢献するとしている。
両社は本パートナーシップを通じて第二世代バイオエタノールの普及につなげるとともに、2050年度のカーボンニュートラル実現に向け、トランジションとサーキュラーエコノミーに資するエネルギー・素材の供給に向けた取り組みを加速していく考えだ。
編集部メモ
前述のとおり、政府・資源エネルギー庁は2030年度までに、バイオエタノールを最大10%混合する低炭素ガソリンの供給開始を目指しており、2028年度下期をめどに沖縄県で「E10相当」の低炭素ガソリンを先行導入する計画を進めている。ENEOSも古紙などを原料とする第二世代バイオエタノールについて2030年度以降の事業化を目標としている。
