ENEOSは8月20日、低炭素燃料「ENEOS EARTH ONE」の普及と脱炭素社会の実現に向けた、国内モータースポーツへの低炭素ガソリンの供給を通じた認知向上施策や技術の進展への取り組みの現状を報告した。現在、自動車レースを実証フィールドとして活用しており、その実証を通じて低炭素燃料の社会実装を進める方針だ。

  • 「ENEOS EARTH ONE」のドラム缶

    低炭素燃料「ENEOS EARTH ONE」のドラム缶 (c)SUPER FORMULA

スーパー耐久/SUPER GT/SUPER FORMULAなどへ供給

「ENEOS EARTH ONE」は、全社員を対象とした公募で500件を超える応募の中から選定された低炭素燃料の商品名。「地球に一番優しいガソリン」を目指す想いと、「明日(EARTH/未来のふたつの意味)で唯一」でありたいという願いが込められているという。

現在、同ブランド製品の国内モータースポーツへの供給を進めており、「ENEOSスーパー耐久シリーズ Empowered by BRIDGESTONE」のST-Qクラスには、エタノールを20%混合した「ENEOS EARTH ONE(E20)」を供給している。

また、2026年4月から協賛している「SUPER GT 2026シリーズ」のGT500クラスと「2026年全日本スーパーフォーミュラ選手権(SUPER FORMULA)」には、エタノールを10%混合した「ENEOS EARTH ONE(E10)」を供給している。

これらのレースは、燃料や車両技術の実証の場であるとともに、多くの自動車ファンや関係者に次世代燃料の可能性を発信する機会でもあるとしている。

  • 利用イメージ図

    植物資源からバイオエタノールを製造し、ガソリンに混合して低炭素燃料として利用するイメージ

エタノール混合ガソリンは、化石燃料由来のガソリンにバイオエタノールを混合した燃料。バイオエタノールの原料となる植物が成長過程で大気中のCO2を吸収することから、化石燃料に比べて温室効果ガス排出量の低減が期待されている。2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画でも導入拡大への期待が示されているという。

SUPER FORMULA向けのE10には、福島県大熊町の次世代グリーンCO2燃料技術研究組合「raBit」が生産した国産セルロースエタノールを使用している。ENEOSは今後も、燃料に関する技術的知見を生かして低炭素燃料の認知向上や関連技術の進展に取り組み、カーボンニュートラル社会の実現に向けたエネルギートランジションを推進していくとしている。

編集部メモ

低炭素ガソリンの導入については、政府が2025年6月にアクションプランを策定しており、2028年度をメドに沖縄でE10相当の低炭素ガソリンを先行導入する計画だ。沖縄では過去にもバイオエタノール混合ガソリンの実証が行われ、2015年度にはE3が県内ガソリン供給量の1割を超えた実績がある。

米国では日本よりエタノール混合ガソリンの普及が進んでおり、現在販売されている自動車用ガソリンの大半がエタノールを約10%含むE10となっている。

エタノール混合ガソリン以外の低炭素燃料としては、再生可能エネルギー由来の水素と回収したCO2から製造するe-ガソリンや、植物油・廃食油、木質などのバイオマスを原料として炭化水素燃料を製造するバイオガソリン、エタノールではんくブタノールを混合する燃料などの研究・実証も進められている。