Windows Latestは9月1日(現地時間)、「Windows 95's taskbar didn't come from Steve Jobs' NeXT Dock, and a former Microsoft VP explains what did」において、Windows 95のタスクバーの起源を巡り、Microsoftの元開発者らがNeXTのGUI環境「Dock」を基にしたとの説を否定したと報じた。

これはタスクバーの起源を巡る議論の中で、Liam Proven氏が「NeXT Dockがタスクバーにつながった」と主張し、Windows 95の開発に携わった経験を持つBrad Silverberg氏がこれを否定したことから議論が広がった。

  • Windows 95のデスクトップ画面。画面下部にタスクバーが配置されている 出典:Microsoft

    Windows 95のデスクトップ画面。画面下部にタスクバーが配置されている 出典:Microsoft

タスクバーはなぜ画面下部に生まれたのか

きっかけは、元MicrosoftエンジニアのDave Plummer氏の投稿だった。同氏が第2のオフィス用ディスプレイについて意見を求めたところ、投稿した画像に映るWindows 11のタスクバーが左寄せだったことから、そのレイアウトや起源を巡る議論に発展した。

その結果、NeXT Dock起源説を主張する返信が投稿され、Silverberg氏が否定する流れにつながった。Silverberg氏はWindows 95のUIデザイナーであるDanny Oran氏とこの件について話したことがあるとし、Oran氏自身もNeXTを基にしたものではなく、独自にデザインを考案したと説明していたことを明らかにした。

この議論にはMicrosoftに30年以上在籍した経験のあるJoe Belfiore氏も登場し、意見を投稿。同氏もNeXT Dock起源説を否定し、その理由を2つの視点から説明した。

1つはMicrosoftが1991年から96年にかけて開発を続けたCairoプロジェクトだ。このプロジェクト自体は製品化されることはなかったが、UIの一部は後のMicrosoft製品やChicago(Windows 95のコードネーム)に取り込まれた。

Belfiore氏によると、Cairoチームは画面下部に表示される「トレイ」を開発した。アプリ間でファイルやコンテンツを移動する際のドロップ先として設計され、このアイデアも後のタスクバーにつながる要素の1つになったという。

  • Cairoプロジェクトで実装されたトレイの外観 引用:Dave Plummer氏の投稿

    Cairoプロジェクトで実装されたトレイの外観 引用:Dave Plummer氏の投稿

もう1つは、Windows 3.1が抱えていた課題の解決とされる。Windows 3.1ではウィンドウを最小化すると、アイコンとしてデスクトップに無造作に配置される設計だった。そのため、ユーザーが起動中のプログラムを把握しにくくなることがあり、Microsoftのユーザービリティテストでも問題が確認されていたという。

そこでWindows 95では最小化したウィンドウの配置先および手軽なウィンドウ復元機能としてタスクバーが設計された。なお、現在のようにランチャー機能が定着するのは後年で、タスクバーとクイック起動ツールバーを統合したWindows 7以降となる。