ENEOSホールディングスは8月7日、100%子会社の米国法人を通じて米TPC Holdings(TPC)を買収し、子会社化すると発表した。取引完了後、ENEOSグループのブタジエン生産能力は世界3位になる。

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買収は、ENEOSホールディングスの米国法人傘下に設立した特別目的会社とTPCとの合併により実施する。両社は8月7日に合併契約を締結した。関係当局の承認取得などを条件に、2026年10月中の合併を予定しており、取引完了後、TPCはENEOSホールディングスの機能材セグメントに属する連結子会社となる予定。

今回の買収は、第4次中期経営計画で掲げる重点施策「ポートフォリオ再編」の一環。早期の収益貢献が期待できる「基盤・素材事業」に経営資源を重点配分する。国内では人口減少に伴う需要減少や競争環境の変化が進む一方、米国では安価なシェールガスを原料とする素材産業が世界有数の競争力を持ち、今後も需要拡大が見込まれるという。

ENEOSグループは、ブタジエンをはじめとするC4ケミカル事業で安全・安定操業のノウハウと実績を持つほか、エラストマーを中心としたマテリアル事業をグローバルに展開している。溶液重合スチレン・ブタジエンゴム(S-SBR)などの高機能・高付加価値製品にも強みを持ち、米国市場でのC4ケミカル事業拡大とマテリアル事業との連携強化を成長戦略の1つに位置付けている。

TPCは北米のC4ケミカル事業を手掛け、ブタジエン、ラフィネート、1-ブテン、ポリブテンなどの主要製品でトップシェアを持つ。買収により、素材事業の主要原料であるブタジエンの生産能力や市場変動への対応力を高め、C4ケミカルから高機能エラストマーに至るサプライチェーンの強化につなげるとしている。

TPC Holdingsは米テキサス州ヒューストンに本拠を置き、TPC Groupなどの事業子会社を保有する持株会社。主要子会社のTPC Groupは、ブタジエンなどのC4留分の分離・精製や誘導品の製造・販売を手掛ける。

編集部メモ

ブタジエンは、タイヤや自動車部品、家電製品など、身近な工業製品の材料として広く使われている石油化学品。一般に、ナフサを分解してエチレンなどを製造する際に生じるC4留分から分離・精製される。特に重要なのが合成ゴムの原料としての用途で、自動車用タイヤのほか、ベルトやホース、防振材、靴底などにも使われる。またABS樹脂の原料にもなり、自動車内装部品/家電/電子機器/日用品など幅広い製品に利用される。