Microsoftは8月5日(現地時間)、Containment Strategies for AI now available in Secure Now | Microsoft Community Hubにおいて、企業向けにAIエージェントの安全な運用を目的としたガイダンス「containment strategies(封じ込め戦略)」を公開した。

AIの自律的な動作を許容しつつ、組織が処理内容および活動を管理できる環境構築を促す内容となっている。

AIエージェント時代に高まる「過剰な権限」のリスク

AIエージェントの活用が広がるなか、その自律的な動作に伴うセキュリティリスクへの対応が重要になっている。Microsoftは、AIに関連するセキュリティリスクは従来のサイバー攻撃と大きく異なるものではないと説明する。

一方、AIによる攻撃や悪用は、人間による作業とは比較できない速度と規模で進む可能性があるとして警戒を促している。

同社はAIによる侵害の主な要因として、過剰な権限、脆弱または外部に露出したネットワーク、脆弱性を抱えるソフトウェアコンポーネント、不十分な監視などを挙げた。こうした要因や侵害経路そのものは、従来のサイバー攻撃と大きく変わらないという。

Microsoftはこうした特性を踏まえ、自律システムを維持しながら、その活動を可視化、制御、監視するための指針を取りまとめた。同社が提案するガイダンスの詳細は「Secure Now」ポータルから閲覧できる。

Microsoftが示した「封じ込め戦略」と対策

  • Microsoftが「Secure Now」で提示するAI時代のセキュリティ対策(出典:Microsoft)

    Microsoftが「Secure Now」で提示するAI時代のセキュリティ対策(出典:Microsoft)

Microsoftが示した「封じ込め戦略」は、AIエージェントの自律性を維持しながら、その活動範囲を組織が管理・制御できる状態にすることを基本的な考え方としている。ガイダンスで示された主な対策は次のとおり。

  • AIエージェントが意図された範囲内で動作していることを保証する封じ込め戦略
  • 企業およびインフラストラクチャー全体で迅速にセキュリティアップデートを展開し、Microsoftソフトウェアを最新の状態に保つ
  • 脆弱なライブラリーや依存関係を特定し、オープンソースソフトウェアのアップデートを適用する
  • ソースコードをスキャンし、カスタムアプリケーションの脆弱性や設定の弱点を特定、保護する
  • インターネットに公開している不要な資産を把握および削減し、残った資産を保護することでインターネットへの露出を最小限に抑える
  • 多要素認証(MFA: Multi-Factor Authentication)、最小権限の原則、レガシー認証の無効化などの基本的なセキュリティ対策を実施する

Microsoftは組織がAI変革を達成する近道は、セキュリティ問題を後回しにしないことだと述べた。早期に強固な基盤を整えたうえで、継続的なルールの遵守を奨励する必要があると説明し、その準備のために同ガイダンスを活用してほしいと呼びかけている。