
混沌の中での〝日本の役割〟
米トランプ政権は、特に第2次政権になって、力の論理で物事を進めようとしている。麻薬や腐敗政治を無くすためと称して、ベネズエラのマドゥロ前大統領を軍事作戦で同国から連れ出し、自国の法律で裁こうとしている。
その勢いで、イランにも制裁を与えるとして、今年2月に攻撃を開始。しかし、最高指導者・ハメネイ師が暗殺されたイランも反撃に出る。
ウクライナ戦争をはじめ、各地で起きている戦争を「早く終わらせる」と豪語していたトランプ氏だが、イランの抵抗は根強く、先行きも楽観視できない状況。
争い事をどう鎮めていくかという今日的な命題である。
そこで、日本には、〝つなぐ〟という役割が求められているのではないだろうか。
新しい世界秩序づくりへ
「目には目、歯には歯の欧米文化とは違い、日本は寛容の国。共存共栄というか、共生の生き方を求める国」という指摘もある。
国際教養大学(秋田県立)のモンテ・カセム学長(スリランカ出身)は「日本は赦す国です」と言われる。
日本は島国で周囲を海に囲まれ、ほとんど外敵の侵攻を受けなかった。中世期、元寇の侵入はあったが、鎌倉幕府は力を集結して、これを退けた。
一神教の国々とは違い、神道の一木一草に魂が宿り、命を重んじる人生観。相手の存在を認める風土の中で、この『赦す』という考え方があるのだろう。
仏教が6世紀に伝来し、仏教と神道が融合して共生できたのも、人々の生き方・考え方の中に共生の思想が存在しているからだと思う。
経団連(日本経済団体連合会)会長の筒井義信さんは、「もともと日本には自然を崇め、助け合いの精神があります。ESGやSDGsにつながる考え方ですね」と語り、「自由や人権、法の支配などの価値観を共有する欧州やASEAN(東南アジア諸国連合)、さらには豪州などの地域や国々との連携を進めていくとき」と強調。
日本再生、新たな国際秩序づくりに向け、『つなぐ』役割が日本には求められていると思う。