Snowflakeは7月2日、日本法人の事業戦略発表会を開催した。同社が掲げるビジョン「Agentic Enterprise (エージェンティックエンタープライズ)」、そのコンポーネント、実現する新製品の紹介が行われた。

同社は、これからAIエージェントと「人」がタッグを組んで業務を変革する時代が始まると考え、企業の働き方を根本から変えるビジョンとして、「エージェンティックエンタープライズ」を掲げている。

社長執行役員 浮田竜路氏は、「AIを語る時代から動かす時代が始まろうとしている」と述べた。AIエージェントが業務を自律的に実行する「エージェンティックエンタープライズ」の実現には、AIモデルだけでなく、企業データやガバナンスなどを含む4要素が必要になるという。

  • Snowflake 社長執行役員 浮田竜路氏

    Snowflake 社長執行役員 浮田竜路氏

エージェンティックエンタープライズを構成する4要素

エージェンティックエンタープライズは4つのコンポーネントで構成される。

  • AIモデル
  • エンタープライズデータ & コンテキスト
  • エージェント コントロール プレーン
  • ソフトウェア & アプリケーション

Snowflake上では、パートナーシップなどを通じて、さまざまなモデルを提供する。執行役員 ソリューションエンジニアリング統括本部長 井口和弘氏は、「企業はどのモデルを使えばよいのかわからず、かつ、モデルは複数利用する必要がある。複数のモデルを個々に契約・設定をするのは煩雑であるため、Snowflakeがフルマネージドで提供する。必要なモデルを必要な時に使えることをコンセプトとしている」と説明した。

  • Snowflake 執行役員 ソリューションエンジニアリング統括本部長 井口和弘

    Snowflake 執行役員 ソリューションエンジニアリング統括本部長 井口和弘

この4要素の中核となるのが、「エージェント コントロール プレーン」だ。「エージェント コントロール プレーン」は、AIエージェントが企業データや業務システムに安全につながり、ガバナンス・制御・監査できる共通基盤だ。

  • 4つのコンポーネントから構成される「エージェンティックエンタープライズ」

    4つのコンポーネントから構成される「エージェンティックエンタープライズ」

注目製品「Snowflake CoWork」「Snowflake CoCo」

6月に米国で開催された年次イベント「SNOWFLAKE SUMMIT 26」では、「エージェンティックエンタープライズ」を実現する新製品が複数発表された(「SNOWFLAKE SUMMIT 26」の基調講演の内容はこちら)。

中でも、注目すべきは、パーソナルエージェント「Snowflake CoWork」とIコーディングエージェント「Snowflake CoCo」だ。

Snowflake CoWork

CoWorkは「Snowflake Intelligence」を刷新したもの。社内にあるデータ、社外のデータを取り込んで分析・判断してアクションにつなげる、ビジネスユーザーのためのエージェントである。

セッションをまたいでユーザーの嗜好や役割、過去のタスクを記憶する「ユーザーメモリ」、自然言語で日常のワークフローをスキルとしてコード化する「ユーザースキル」、ファイナンス&セールスのためのプラグインなどが、新機能として紹介された。

Snowflake CoCo

Snowflake CoCoは「Cortex Code」を刷新したもの。開発者によるワークフローの自動化、アプリの開発、シンプルなプロンプトを通じたエンタープライズデータ上でのAIを活用を容易にする。データエンジニアリング、機械学習、エージェント構築のタスクをシンプルな会話に変換し、開発からデプロイ完了までスピーディーに導く。

  • 「Snowflake CoCo」の主要機能

    「Snowflake CoCo」の主要機能

CoCoは、「CoCo CLI」「CoCo Desktop」「CoCo in Snowsight」「CoCo Plugin for Claude Code」「CoCo Extension for VS Code CoCo Plugin」と、5つのアクセス方法が提供されている。

ガバナンスに関する機能としては、エージェント・スキル・MCPサーバなどを発見して、自然言語でガバナンスの設定が行えるダッシュボード「AIガバナンス」が提供される。

NTTデータ、CoCo活用でAIレディなデータ整備を効率化

SnowflakeのパートナーであるNTTデータのAI事業本部 AIビジネス事業部長の渡辺麟太郎氏は、Snowflake CoCoの活用例として、AIが利用しやすいデータ環境の整備を挙げた。

  • NTTデータ AI事業本部 AIビジネス事業部長 渡辺麟太郎氏

    NTTデータ AI事業本部 AIビジネス事業部長 渡辺麟太郎氏

同氏は、AIを業務で活用するには、データ項目の意味や因果関係などのメタデータを整備し、AIが理解できる形にすることが重要だと説明。一方で、メタデータの作成や更新には多くの時間と手間がかかるという課題があるとした。

そこでCoCoを活用することで、メタデータのたたき台を自動生成できるため、AIレディなデータ整備を効率化できると紹介した。また、AIは使いながら改善を重ねることが重要であり、そのためにはスピードと使いやすさが求められるとした。