Meta PlatformsがAI向けに構築してきた余剰計算能力を、外部に販売するクラウド事業への参入を計画しているようだ。
Meta、AIクラウド市場への参入を検討、計算資源の外部販売も視野
同社は自社のデータセンターやチップを活用し、独自開発のAIモデル「Muse Spark」を含む各種モデルへのアクセスを、開発者向けに課金形式で提供する方向で検討しているという。
Metaの取り組みは、AWS(Amazon Web Services)の生成AIサービス「Amazon Bedrock」に似た仕組みになるとみられる。また、CoreWeaveのようなGPUを大量保有する新興クラウド事業者(ネオクラウド)と同様に計算資源そのものを外部向けに販売することも選択肢として検討している。Axiosが7月1日付で報じている。
これにより、これまでデータセンターやAIインフラに巨額投資してきた結果として生じた余剰計算資源の収益化が可能になるとみられている。
CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は5月の株主総会で、クラウド事業への参入は「間違いなく選択肢の1つ」であり、外部企業からAPIサービスの提供や余剰計算力の購入を持ちかけられることが「ほぼ毎週」あると述べていた。クラウド事業参入を検討しているとの報道を受け、Metaの株価は約9%上昇したという。
MetaがCDO新設 - AI時代に向けデータ分析体制を強化
一方で、MetaはCMO(最高マーケティング責任者)のAlex Schultz(アレックス・シュルツ)氏を新たなCDO(最高データ責任者)に任命した。シュルツ氏自身がAxiosに明らかにした。
また、同社のコンシューマーマーケティングおよびグロース担当バイスプレジデントであるDenise Moreno(デニス・モレノ)氏が、新たにCMOへ昇格する。今回の人事は、分析基盤やデータインフラがMetaのAI戦略においていかに重要な役割を果たしているかを示しているという。
Metaは分析機能を他の経営幹部の配下にある支援組織として扱うのではなく、経営トップ層の直轄領域へと引き上げる考えだ。シュルツ氏は新たな職務において、Meta全体のAI分析基盤の運用・管理体制をグローバル規模で変革する役割を担う。
その取り組みの一環として、同氏は引き続きインフラ分析チームの統括も担当する。シュルツ氏によると、自身の担当業務は過去数年にわたり拡大しており、マーケティングに加えて分析業務も管轄するようになったという。
現在はユーザーリサーチ、競合分析(コンペティティブ・インテリジェンス)、さらにMeta取締役会向けのインサイトレポーティングも統括している。
他方、モレノ氏は長年にわたり、Meta製品内で展開されるプロモーション施策を率いてきた。直近では、SNS「Threads」のユーザー数を5億人超まで拡大する取り組みを主導した。CMOとしての最大のミッションは、Metaの製品やアプリの成長と成功を推進することになる。
シュルツ氏とモレノ氏はともに、MetaのCOO(最高執行責任者)であるJavier Olivan(ハビエル・オリバン)氏に報告する体制となるほか、モレノ氏はザッカーバーグ氏のリーダーシップチームにも加わる。
シュルツ氏はインタビューで、MetaのAIシステムにおけるコンテキストレイヤー(Context layer)、すなわちAIモデルが正確な推論を行うための組織的知識基盤が、同社のデータ分析インフラ構築において重要な鍵になると述べている。
今後、6カ月間の最優先課題はMetaのDWH(データウェアハウス)全体にセマンティックレイヤー(Semantic layer)を構築することだという。このレイヤーにより、同社は全製品にまたがるデータを統一的に解釈・活用できるようになる見込みとしている。