Dynabookは6月18日、法人向けのCopilot+ PCラインナップを拡充し、新たにCore Ultra シリーズ3を搭載する13.3型「dynabook G83R/PA」と14型「dynabook X74/PA」を発表した。
またCore Ultra シリーズ2を採用した「dynabook G83/NA」も同時に発表し、6月中旬以降に順次受注を開始する。
これら新製品が発表されたDynabookのメディア懇親会では、Dynabook代表取締役社長の渋谷正彦氏が、AIの進化を背景にハードウェアとサービス・ソリューションの両輪で同社の事業を拡大していく方針を示した。
Dynabookが今回投入した法人向けノートPCは次の3機種。
- 14型「dynabook X74/PA」:オープン
- 13.3型「dynabook G83R/PA」:916,630円~
- 13.3型「dynabook G83/NA」:818,400円~
法人向けCopilot+ PCを13.3型と14型で展開
dynabook G83R/PAは約899gの13.3型モバイルPC。軽さを重視した「dynabook G」シリーズを、AIと共に働くエンドポイントデバイスとして“再始動(リスタート)”させるという想いから、製品名に“R”の文字を組み込んだという。
搭載プロセッサはIntel Core Ultra シリーズ3(Panther Lake)となりマイクロソフトが提唱するCopilot+ PCに準拠。ストレージは512GBまたは1TB、OSはWindows 11 Pro、バッテリー駆動時間は最大32.5時間(アイドル時)/約17.0時間(動画再生時)で、可搬性と性能、長時間駆動のバランスをとった。筐体はMIL規格に準拠したテストをクリアし、持ち運ぶ際の堅牢性も確保した。
独自のAI機能として、ローカルで翻訳・要約・検索を実行する「dynabook AIアシスタント」やAIがユーザーの使い方に沿って電力消費を抑制する「AIパワーオプティマイズ」、のぞき見を検知し離席時にスリープする「AIプライバシーアシスト」、ジェスチャ操作できる「AIハンドコントロール」などを搭載。
インタフェースは左右それぞれにThunderbolt 4やUSB-A(USB 3.2 Gen1)ポートを装備し、充電ケーブルの取り回しの自由度を高めている。本体カラーはネビュラブラックとセレスとブルーの2色だが、カラーによって仕様が異なるという。
dynabook G83/NAはIntel Core Ultra シリーズ2(Arrow Lake)を搭載した13.3型ノートPCで約845gとさらに軽量。なおこちらはNPU性能が要件を満たさず、Copilot+ PCには非対応となる。
dynabook X74/PAはユーザーがバッテリー交換できる「セルフ交換バッテリー」機構を備えた14.0型ノートPC。Intel Core Ultra シリーズ3(Panther Lake)を搭載したCopilot+ PCで、G83R/PAと同じく独自のAI機能も備える。
重さは約999g。バッテリー駆動時間は約27.5時間(アイドル時)/約15.5時間(動画再生時)。インタフェースはG83R/PAと同等。
今後はエンドポイント製品とソリューションを強化
2026年4月にDynabookの代表取締役社長に就任した渋谷氏は、同社の経営方針や事業戦略を紹介した。
Dynabookの親会社にあたるシャープは、2026年6月9日に実施した事業説明会にて、法人PC事業を含めたB2B事業(スマートワークプレイス事業)のFY2025通期業績として、Windows 10サポート終了にともなうWindows 11への切り替え特需でDynabookの販売が拡大したと説明。一方で2026年度のスマートワークプレイス事業は前年度の特需の反動、メモリやSSDなどパーツ価格高騰による売価上昇の影響などを要因とし、減収減益を見込んでいる。
関連記事:変わるシャープの現在地、2026年度の事業戦略を読み解く (後編)
シャープではPC事業についてAI PCの比率を高めるほか、高付加価値製品へのシフトや、LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスの強化で収益維持を図るとしている。
渋谷氏は、Dynabookの業績が過去5年で売上高1,800億円から2,800億円へと成長し、WindowsノートPC市場において2024年から2年連続でブランド別国内シェア1位(IDC調査)を獲得したと、堅調な事業拡大を紹介。特需の反動減やPCの部材価格高騰といった課題に対しては、調達・生産・物流の最適化でコスト増を吸収する努力を継続するとした。
また説明後の質疑に答える形で、AI需要を背景にAI PCの出荷が立ち上がっており、反動減の打ち消しに寄与していることや、部材高騰によるPC本体価格の上昇を踏まえ企業が“前倒し”でPCを購入する場合があり、「想定していたような落ち込みは回避できるのでは」との見通しを示した。
今後はPC事業に加え、ソリューション事業の強化も図る。2025年度に140億円で推移した同事業を、200億円規模へ伸ばし新たな柱に据える方針だ。
また、AIが企業競争力を左右する重要なテーマであり、今後はエッジと組み合わせたハイブリッドAIの時代へ移行すると予測。PCやXRグラス、ドライブレコーダーなど現場でデータを生み出す「エンドポイントデバイス」を起点としたAI活用提案を強みに、デバイスとAIを連携させ、顧客に寄り添った価値創造につなげるとした。












