
日本企業として初めて純利益5兆円を突破
ソフトバンクグループ(SBG)の時価総額が、トヨタ自動車を抜いて首位に躍り出た。日本の時価総額トップが交代するのは実に22年ぶりのことだ。
市場では「株価に一喜一憂することはないが、雇用を含め、日本の根幹を支えるモノづくり企業よりも博打うちのような企業の価値が高いなんて」(製造業関係者)と戸惑う声もあれば、「米国と違って、日本のように主役が30年近く変わらないのは異常。産業の新陳代謝が起こったのはいいこと」(エネルギー首脳)と評価する声もある。
6月3日時点でも首位はSBG(約47.5兆円)、2位がトヨタ(約45.5兆円)で、3位がキオクシアホールディングス(約42.6兆円)と続く。足元ではAI(人工知能)や半導体関連株が好感されており、SBGやキオクシアはその代表銘柄ということになる。
SBGは2026年3月期の連結業績で純利益が5兆22億円(前年同期比約4.3倍)となり、日本企業として初めて5兆円を突破した。米オープンAIへの出資に係る投資利益6兆7304億円の影響が大きい。
CFO(最高財務責任者)の後藤芳光氏は「SBGは戦略的投資持株会社。AI(人工知能)モデル、AIチップ、フィジカルAI、AIインフラといったAIバリューチェーンの主要領域における重要なアセットへ投資していく」と意気軒昂だ。
すでに同社はオープンAIに対して累計646億米ドル(約10兆円)投資している。そのオープンAIは年内にも上場する見通しで時価総額は1兆ドル規模と言われている。
ただ、アナリストは「オープンAIの上場が実現すれば、さらに信用力が押し上げられる可能性がある」という一方で、「AI投資ブームに深さを伴った調整局面が到来した場合、その影響を受けやすい」と指摘する。
現在は米グーグルやアンソロピック、中国のディープシークなど、世界中でAIの開発競争が進んでおり、オープンAIがどこまでAI市場を先導し続けられるかは不透明。オープンAIへの”過剰”とも言える投資にはリスクも背中合わせだ。