【 厚生労働省 】住友ファーマのiPS製品が5530万円で初の保険適用

住友ファーマが開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った再生医療製品で、パーキンソン病の治療に用いる「アムシェプリ」の公的医療保険の適用が、中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)で承認された。医薬品として扱われ、薬価(公定価格)は約5530万円に決まった。iPS細胞由来の製品の実用化は世界初で、年内にも医療現場で実際に使われる見通しだ。

 パーキンソン病は脳のドーパミン神経が変性することで、手足の震えやこわばりといった症状が起きる疾患。70歳以上の高齢者で有病率が高まるというデータがある。

 アムシェプリは、ドーパミンを出す神経細胞のもとになる細胞を、他人由来のiPS細胞からつくった製品。頭蓋骨に小さな穴を開け、脳内の複数箇所に注入する。注入した細胞がドーパミンを出す神経細胞に成長し、脳内で分泌が増えて症状の改善を目指す。

 世界初という技術だけでなく、5530万円という薬価の高さにも注目が集まった。厚労省保険局の幹部は「革新的な薬は、製薬会社が開示した原価をベースに営業利益などを積み上げて薬価を算定する」と説明。アムシェプリは今後7年かけて治療データを追加収集し、本承認の可否を改めて審査する必要のある「仮免除」状態にある。

 そのため、薬価算定の作業では営業利益は通常の半分しか積み上げられなかった。しかし、医療関係者は「おそらく本承認されるだろう。その場合、薬価は更に高くなる」とみている。

 非常に高額な薬だが、高額療養制度や難病に対する国の医療費助成制度があるため、患者の自己負担は低く抑えられる。また、対象患者は35年度のピーク時に133人と、少ないため厚労省幹部は「医療保険財政への影響もそれほど大きくない」としている。

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