【 国土交通省 】ホルムズ海峡の事実上封鎖で原油の海上輸送に試練

米国とイスラエルによるイラン攻撃で、エネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡が事実上封鎖された。原油輸入の9割超を中東に依存してきた日本は、官民挙げて原油調達の多角化を推進し、物流網維持に傾注している。

 同海峡は、日本が輸入する原油の8割以上が通過する海上交通のチョークポイント。海運関係者は「イラン・イラク戦争の際も攻撃はあり安全とは言えなかったが、『完全な封鎖』は初めてではないか」と振り返る。

 封鎖後、検討されたのが同海峡を通過しない中東産原油の代替ルート。サウジアラビアの紅海側にあるヤンブー港、同海峡を挟んでオマーン湾側に位置するアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港が挙げられる。

 紅海からの輸送日数はホルムズ経由とほぼ変わらないが、危険性が高い。イランと近しいイエメンの反政府武装勢力組織による攻撃を受ける可能性があるからだ。23年のイスラエルによるパレスチナへの軍事侵攻に伴い、航行に対する妨害が始まり、日本の海運会社は通航を見合わせている。また、フジャイラ付近でもイランによる攻撃が伝えられるなど、危険と隣り合わせとなっている。

 中東以外からの調達先は、北米や中南米、中央アジアなどがある。北米の場合、メキシコ湾が起点だ。2ルートが選択肢で、高い通航料を払うパナマ運河を経由して太平洋を横断するか、喜望峰回りで日数をかけて到着するかとなる。どちらもすでに稼働しており、コストやタンカーの配船状況などを総合的に判断して航路が決まる。

 一方、ホルムズ海峡を脱出する原油タンカーもある。ペルシャ湾内に取り残された日本関係船舶のうち、5月14日までに日本向け原油タンカーが2隻通過。残る全ての関係船に関し、金子恭之国土交通相は同月19日の記者会見で「船員の安全の確保は最重要であり、情報収集を徹底し、関係者への情報提供を丁寧に行う」と述べた。

【株価はどう動く?】株価は「中東リスク」を織り込んだか? 下落調整の終わりを読む