【『財界』緊急アンケート】経済人に問う! 高市政権への期待と課題

「今の状況下、食料品の消費税率ゼロは白紙撤回すべきだ」という声が聞かれる。中東情勢の行方が不透明な中、経済人は大胆かつ本質的な政策を高市早苗政権に求めていることがアンケートを通じて浮かび上がってきた。経済人の高市政権への期待と課題とは?

【 設問1 】 イラン攻撃で何に困っていますか?  

[回答] 

◎足元の物価高への対応はもちろん大事だが、これが落ち着いた後の5年後、10年後先を見据えた戦略を同時に考えておくことが重要になる。(重電副社長・68歳) 

◎中東カタールでのLNG設備建設に当社の日本人社員200人、現地作業者4000人が取り組んでいる。最重要事は安全、健康、被害を受けた既存プラントの復旧に貢献するのも既設コントラクターとしての責務。 (エンジニアリング会長・67歳) 

◎現時点では特段の影響はない。一方で、政府から節電要請や自動車利用制限要請が行われた場合、通常の業務体制の維持が難しくなることが想定され、従業員の通勤手段やオフィス運営、業務効率への影響を懸念している。 (生命保険) 

◎自社開発ソフトウエア製品を中東でも販売しており、大きな影響を受けている。中東各国でのビジネスは、直接面談して進めることが多いが、現時点で弊社社員を現地に出張させるわけにはいかない状況であるため、商談が滞っており、再開の目処が立っていない。 (ソフトウエア社長・66歳) 

◎従来は、洗浄用のアルコールや金型用のオイルが不足していたが、これらの品薄は解消されつつある。ただ、現在でもクリーンルームで使用されるゴム手袋は品薄状態が続いている。 ( 光学製品等の製造販売会長兼CEO・70歳) 

◎包材、特に印刷用インク溶剤が不足し、製造不能の予測も。今後ボイラー用燃料等も供給不安。 (食品会長兼社長) 

◎建設部資材も物により様々な加工製品となっており、石油製品がそれらの製造・製作のボトルネックになる可能性がある。 (建設幹部・56歳) 

◎原油高に起因する物流コストの上昇やハードウエアなどの調達面で支障が生じる可能性がある。 (IT会長CEO・59歳) 

◎パッケージ資材など一部に石油由来のものを使用しているため、今後の原油価格や物流の動向について注視している。医薬品の供給停滞は患者様の命に関わる可能性があるため、サプライチェーンの洗い出しや代替調達の検討を進めており、安定供給の確保に向けた対応を強化している。 (製薬部長・57歳) 

◎工程遅延や工事原価の増大等のリスクが懸念される。 (建設部長) 

◎欧州の航空運賃が高騰している一方で円安も進んでいるため、インバウンドは大きく変化せず、国内旅行者の宿泊需要では国内シフトの動きも出てくるだろう。人手不足に対応するためにも、業界を挙げて需要の平準化が求められる。 (ホテル代表・66歳)  

 

【 設問2 】 高市政権が進める17の戦略分野のうち、どの分野に投資をしていますか?  

[回答] 

◎経済成長を介して日本経済の成長に貢献していく。何をすればよいかを各社のトップが見定めて、それを確実に実行していくことが大事だ。(経済同友会首脳) 

◎まずは17の分野に精通したプロフェッショナルをネットワークするところから始める。 (サービス会長・66歳) 

◎製造業の自動化・省人化を支えるファクトリーオートメーションやロボット関連設備を事業の注力分野としている。関心のあるベンダーから先端技術動向をヒアリングし、協業の可能性を探っている。 (製造管理部長・55歳) 

◎17分野を明確にして国が全面的に支援する政策は、これを強力に推進するべき。今問われているのは「産業の国際競争力」にとどまらず、「産業政策の国際競争力」である。日本の国力の源泉である「官民パートナーシップ」を復活して、世界レベルの総力戦に立ち向かうべきである。 (元通産官僚) 

◎GX、デジタル/AI・半導体関連領域、ヘルスケア・医療領域。顧客企業の経営課題に対し、GX・DX・事業開発を横断した形での提案を行い、構想策定から実装・運用まで一気通貫で支援する体制を整えている。 (ITコンサル常務・47歳) 

◎データプラットフォームの部分で、基幹システムに集約されたデータ活用をリードする。 (IT社長・61歳) 

◎「サイバーセキュリティ」と「経済安全保障に資する重要インフラ」。オンライン決済は、もはや国民生活と企業活動を支える社会インフラ。一方でクレジットカード不正利用被害額は2025年に約510億円で、決済ネットワークの防衛は重要インフラ防衛の観点からも看過できない課題だ。 (ITサービス代表取締役・34歳) 

◎アミューズメント業を運営しているため、「コンテンツ」の分野に注力している。同業他社で主にアジア圏における積極投資を行っている企業もあるが、まだまだ 定着には至っていないので、日本発の既存IP(知的財産)を活かしながら、アミューズメントの分野にて世界へ発信していく。 ( アミューズメント海外IR・秘書担当・52歳)  

 

【 設問3 】 「食品消費税の2年間ゼロ」の政策についてどう見ているか?  

[回答] 

◎恒久的財源がないならやめるべき。 (食品会長兼社長) 

◎もう少し具体的内容を説明するべき。国民・事業者にとってそれぞれのメリットとデメリットは何か。 (匿名希望) 

◎推進すべき。 (投資会社・66歳) 

◎2年の期限付きでは、中小企業にとって本当にメリットがあるのかと疑問だ。納税を免れている小規模企業にとっては、今までの消費税という収益がなくなることになるのではと思う。 (金融代表取締役・74歳) 

◎短期間の時限政策であるので、給付は税額控除をより早く推進することにより、不要ではないかと感じている。 (エンジニアリング会長・67歳) 

◎推進すべきだ。急激な物価高騰が個人消費を抑制している現状において、生活に直結する食品の税率を一時的にゼロにすることは、家計への直接支援として、消費マインドの改善に大きく寄与すると考える。一方で、2年後の課税再開時における反動減や企業のシステム負担を考慮し、円滑な移行に向けた準備期間の確保と、持続的な賃上げを後押しする「攻めの設備投資」を促す税制支援策をセットで実行することを期待する。 (金融・サービス社長CEO・64歳) 

◎取りやめるべき。2年後に状況が改善される具体的な見通しが描かれていないためだ。日本が抱える構造的な課題に働きかける成長戦略とは言い難い。真に解決すべき課題は物価高や円安への対応。消費税を一時的に停止し、2年後に再開する措置は、かえって流通現場に混乱をもたらす可能性が高い。 (金融情報サービス社長・58歳) 

 

 

【 設問4 】 高市政権の政策に対するご意見とは?  

[回答] 

◎正しいことを正しく、日本の誇りを取り戻すためにも高市政権には頑張って欲しい。 (サービス会長・66歳) 

◎中東問題に関するエネルギー政策については、(省エネや節電などの)需要抑制が必要ではないか。 (石油元売り) 

◎日本国民一人当たりのGDP(国内総生産)を引き上げるための成長戦略と、あわせて為替の安定、特に円高に向けた対策が急務であると考える。  (IT会長CEO・59歳) 

◎円安基調を改善する対策をしっかりやっていただきたい。グローバルに事業を展開しているため、海外への投資や海外拠点のコストが円建てでは大変重くなっている。 (ソフトウエア社長・66歳) 

◎経済安全保障を軸とした強靭なサプライチェーン構築や、先端分野への官民投資を促す政権の姿勢を支持する。当社は資本効率(ROE)の向上に資する事業ポートフォリオの変革を推進しているが、政府においても、企業の投資意欲をさらに高めるための規制緩和や、日本が「投資対象」として世界から選ばれ続けるための国際的なリーダーシップを期待する。 (金融・サービス社長CEO・64歳) 

◎所信表明演説でITを業務効率化の手段ではなく、サーバー防衛や行政DX、重要インフラを支える国家基盤の中核として位置付けた点は評価できると考える。これによりIT投資が短期のコストではなく、中長期の経営戦略として認識され、人材採用や研究開発に投資しやすくなった。 (システム会社・理事)

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