【 経営写 】シード社長・佐藤隆郎 〈鴻巣研究所に4号棟を竣工〉

医療機器メーカーとしての矜持を持って…

 

 日本は人口減少が続いていますが、スマートフォンやタブレット端末が急速に普及し、近視の低年齢化が進行していることなどから、コンタクトレンズ市場は年平均2~3%成長しています。一方、中国をはじめとするアジアも近視人口の伸びは大きく、市場も大きく成長しています。これらのことからも、市場は今後も拡大することが予想されます。 

 当社ではこうした拡大するコンタクトレンズ需要に対応するべく、今年1月に鴻巣研究所(埼玉県)内に4号棟を竣工。3月から稼働を開始しており、26年3月期には月産6500万枚の最大生産能力を、28年3月期には8950万枚まで順次引き上げる予定です。 

 医療機器メーカーとして残しておかなければならないのは、研究開発、つくるところ(生産)、売るところ(販売)の3つだと思いますが、それに加えて、当社のように営業のフォローができるカスタマーサービスの機能まで、全てを持っている会社は珍しい。業界では経営効率を追求し、各機能を外注したりするケースも見られますが、日本でモノをつくり、自社で一貫したバリューチェーンを構築していることが、当社の最大の強みになっています。 

 近年は近視進行抑制市場で注目を浴びている「オルソケラトロジーレンズ」や、眼圧変動に伴う角膜の形状変化を測るセンサーが内蔵された「スマートコンタクトレンズ」など、新たな高付加価値商品の開発にも注力しています。 

 わたしが社長に就任してちょうど1年になります。理系の研究畑出身者はわたしが初めてということで、これからは会社として数字も大事にしながら、モノづくりの足場をきちんと固めていこうという狙いを持っています。 

 コンタクトレンズには、高度管理医療機器としての医療機器の側面と、度なしカラーコンタクトレンズのような、手軽に装用できる日用品的な側面の両方があります。安全で安価に手にとりやすい商品をお届けするということも大事ですし、とはいえ、医療機器メーカーとして、患者さんがこれまで解決できなかった目の悩みにお応えするということも大事です。 

 この両立は大変難しいことではありますが、われわれはあくまでも医療機器メーカーです。お客様の目を守り、生活を守る責任があります。こうした原点を決して忘れることのないよう、社員に向けては医療機器メーカーとしての矜持を持とうと言っています。 

 当社は2027年10月に創立70周年を迎えます。これからも社内の一体感を高めつつ、モノづくりの原点に立ち返っていく。一方でこれだけ変化の激しい時代ですから、スピード感をもって経営判断をしていかないと時代の波に乗り遅れると思うので、経営のスピード感を上げていく。その両方を追求していきたいと考えています。

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