Google Chromeチームは4月20日(米国時間)、「Gemini in Chrome expanding to Asia-Pacific markets」において、ChromeのAIアシスタント「Gemini in Chrome」の提供地域を拡大したと報じた。

これまでは米国、カナダ、インド、ニュージーランドに限定して段階的な展開を行っていたが、4月20日より日本を含むアジア太平洋地域に拡大したという。

Gemini in ChromeはChromeに搭載されたAIアシスタント機能だ。Chromeに標準搭載され、開いているタブのコンテキストに対して要約の生成、概念の説明、疑問の解決といったAI機能を提供する。

Gemini in Chromeで何ができる?公式ブログの説明

Gemini in Chromeでは、ページの要約、質問応答、動画理解、画像生成などをブラウザ上で実行できる。

具体的には、開いているWebページの内容をもとに、要約の生成や疑問への回答を得ることができる。長い記事を短時間で把握したり、専門用語の意味をその場で確認したりといった使い方が想定されている。

Googleアプリとの連携やYouTube動画について質問することも可能。AI画像生成ツールの「Nano Banana 2」を使用すれば、ChromeのプロンプトからWebサイト上の画像を変換することもできる。

さらに、自動ブラウジングにも対応する予定だ。現在は米国内の一部ユーザーに限定して試験提供されている機能だが、予約処理やパーティーの計画といったタスクを実行させ、ユーザーはタスクの実行を見守るだけで目的を達成できるようになる。

こうした機能により、情報収集やコンテンツ理解の効率化が期待される。

Gemini in Chromeは安全?データはどう扱われるのか

Gemini in Chromeにおいて、安全対策は講じられているが、入力内容はAI処理に使われるため機密情報には注意が必要だ。

Google Chromeチームは、Gemini in Chromeについて、開発段階からセキュリティを重視して設計していると説明している。悪意のある指示でAIを誤作動させる「プロンプトインジェクション」などの既知の脅威についても、モデル側で検知・防御できるようトレーニングされているという。

また、メール送信やカレンダー登録といった機密性の高い操作については、ユーザーの確認を求める仕組み(ガードレール)を備えており、AIが勝手に重要な操作を実行しない設計になっている。

さらに、外部からの攻撃を想定した検証(レッドチームによるテスト)を継続的に実施し、自動更新によってセキュリティ修正を迅速に配信する体制も整えている。

一方で、Gemini in Chromeは閲覧中のページ内容や入力内容をもとに応答を生成する仕組みであるため、業務上の機密情報や個人情報を安易に入力することには注意が必要だ。特に企業利用では、利用ルールの整備が求められる場面も出てくるだろう。

Gemini in Chromeはどうやって使う?利用手順は

Gemini in Chromeの起動はタイトルバーのGeminiアイコンをクリックするか、設定したショートカットキーを入力する。プロンプトを入力するサイドパネルが表示されるので、表示中のタブの内容について対話を始められる。

例えば、「このページを要約して」「重要なポイントを教えて」といったプロンプトを入力することで、AIが内容を整理して提示する。

日本でも使える?対応状況と注意点は

Googleは4月20日より日本、オーストラリア、インドネシア、フィリピン、シンガポール、韓国、ベトナムへのGemini in Chromeの提供を開始した。対象プラットフォームはデスクトップ版とiOS版とされるが、日本に限りiOS版の提供は先送りとなっている。

利用を開始するにはChromeを最新バージョンにアップデートする必要がある。段階的な展開が行われているため、アップデートしてもすぐに利用できるとは限らないが、対象者に選ばれた場合はタイトルバーにGeminiアイコンが表示されるはずだ。

Gemini in Chromeは便利?従来の拡張機能と何が違う?

Gemini in Chromeの最大の差別化ポイントは、ブラウザ標準でページ内容を理解する“統合型AI”である点だ。

従来もChromeにはさまざまなAI系拡張機能が存在していたが、Gemini in Chromeはブラウザ自体に統合されている点が大きく異なる。

これにより、拡張機能を個別に導入することなく、閲覧中のページをそのままAIが理解し、支援を行えるようになる。今後は自動ブラウジング機能の導入も予定されており、予約や調査といった作業をAIが代行する可能性もある。

ブラウザの役割が「閲覧」から「作業支援」へと拡張されていく点は、大きな変化と言える。