日米首脳会談をどう総括し、イラン情勢をどう読み解くか? 森本 敏・元防衛大臣に聞く!

日本はミサイルの共同開発・共同生産にも言及

 ─ 今回の日米首脳会談をどう総括し、今後のイラン情勢をどう読み解くか。森本さんは現状をどのように受け止めていますか。

 森本 今回は、米国とイスラエルによるイラン攻撃が開始して3週間経った段階での日米首脳会談となりました。

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 米国の関心はホルムズ海峡の封鎖を受けて、日本は何をしてくれるかという点にありましたが、日本は停戦ができていない状況下での機雷掃海、船舶護衛などは現行法令下では無理と受け流して、ミサイルの共同開発・共同生産、小型原子炉(SMR)の建設、レアアースなどの調達安定化のための対米投資に貢献していくことで合意しました。

 今回の戦争で活躍している兵器はドローンとミサイルです。イランは「シャヘド」というドローンを少なくとも4000~6000機保有しており、すでにドローンを2100機以上、弾道ミサイルを900発以上発射したと言われています。

 ところが、シャヘドは、1機2万ドル(約320万円)くらいですが、米軍の迎撃ミサイル「パトリオット」やトマホーク巡航ミサイル、THAAD迎撃ミサイルは100~200倍(パトリオットは400万ドル、6・4億円)くらいする。コストがあまりにも非対称的である上に、生産量が全然違う。

 パトリオットは年間600発ほど生産でき、これを2030年までに2000発以上にする計画ですが、イランのドローンは1カ月で1万機以上生産できます。しかも、米軍はすでに半分以上のミサイルを撃っており、生産量が全然間に合っていません。

 今回、日本は米国に対してミサイルの生産量を4倍にすると約束しました。戦争が長期化すれば、弾薬とミサイルの確保は非常に重要になってきます。しかし、今後はミサイルよりレーザー波・マイクロ波をつかって撃墜するシステムの開発を進めるべきです。

 もう一つは、日米首脳会談の直前に、日本や英仏など6カ国が共同声明を発表しました。欧州は日本の立場をよく理解してくれたし、欧州の主要国と日本が強固な関係で結ばれていることの重要性が示せたと思います。さらに、イランとの友好関係は日本にとって極めて重要な資産であり、これを発展させていくべきです。

 ─ 一定の成果があったと見ていいですか。

 森本 ただ、今回の首脳会談では、米国側も日本の憲法や法制度を理解していますので、お互いに国際法上どうなのかとか、武力行使はどこまで許されるのかといった話はしませんでした。

 その意味では、うまく振る舞ったと言えるかもしれませんが、ホルムズ海峡の安全をどう確保するか、戦争をどう収束させるかに関しては、明確な答えもなく、また、進展を図る手段も見つからなかったと思います。

 ─ そこは冷静に見ておく必要がありますね。

 森本 当初、トランプ米大統領は今回の戦争について4~6週間、ヘグセス米戦争長官は8週間程度かかると言っていました。この時点では、ヘグセス氏の方が作戦計画を正確に知っていたのかもしれません。

 おそらく……。

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