
財務諸表の数字には表れない部分の評価をどうするか
─ 昨今、人材を資本と捉えて力を引き出す「人的資本経営」が注目されていますが、まずはCHROFY(クロフィー)とはどんな会社なのか、説明してもらえますか。
滝本 当社は人的資本経営の実践を支援するプラットフォーム『CHROFY』を開発・提供しています。従業員の勤怠・給与・人事評価などのシステムデータや財務データを統合し、人的資本に関する情報を〝見える化〟して、業績や生産性の停滞につながる要因を浮き彫りにするサービスです。
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もともと、わたしは2017年にBREEZE(ブリーズ)という会社を立ち上げまして、人事労務分野の先進的なソリューションを有するユー・エス・イーと、士業グループとして豊富な実績と充実した顧客基盤を持つOAGコンサルティンググループとの合弁会社として、2022年に設立したのがCHROFYです。 3社の経験とノウハウ、事業基盤を結集させることで、日本企業の人的資本経営を後押ししていきたいと考えています。
─ 改めて、この人的資本経営ですね。なぜ今、人的資本経営が必要なのか?
滝本 近年は企業の本当の価値を測る上で非財務のところ、人材や知財だとか、自然資本であったり、いわゆる非財務の資本が企業価値に及ぼす影響がとても大きくなっています。結局、企業価値の評価は財務的な物差しだけでは測れないということです。
特に人材というのは、バランスシートに載っていない最大の資本です。財務諸表の数字には表れない部分がどう企業価値に繋がっているか、というのが問われています。
ただ、今、とくに上場企業は人的資本に対する情報を開示するように求められていますが、一時的にエクセルで何とかデータを集計して「開示しました」というだけで終わっているケースが多い。しかし、データを集計しただけで終わってしまうのは非常にもったいないし、自社にとっては全く意味がありません。
─ 攻めの経営に生かせていないと。
滝本 そうなんです。どの会社でも、ある程度、財務データはきちんと揃っていて、最近は営業系やマーケティングのデータもそろっている企業は多いんです。しかし、人事はデジタル化が遅れているのが現状でして、社員データに等級が一部抜けているとか、部分的には性別すら登録されていないとか、マスターに無い部署コードが振られていたとか、結構いい加減なデータがあるんですね。
なおかつ、そのデータも散り散りに、バラバラになっています。バラバラになっていること自体が問題だと思うんですが、最近はどこの企業でもAI(人工知能)の活用が求められるようになりました。
ご存知の通り、AIというのは何もないところから勝手に何かをしてくれるわけではなくて、データがあるからこそAIが活きるわけです。その意味でも、きちんとデータを使えるようにしておくことは非常に大事なのです。