AI関連を中心としたPMIC(パワーマネジメントIC)需要などを背景とした生産能力のひっ迫と製造コストの上昇を理由に中国のファウンドリが8インチの受託製造料の値上げを進めている。
先行して中国ファウンドリ最大手のSMICと2番手の華虹(Hua Hong)グループが値上げを表明していたのに続き、中国3番手のファウンドリであるNexchipも2026年6月以降の受託製造料を10%引き上げる予定であることが3月12日に判明したと台湾TechNewsが報じている。
それによるとNexchipは、顧客に向けた通達の中で、地政学的な不安定性、サプライチェーンの変動性、原材料費の高騰を、今回の料金改定の主な要因として挙げているという。その結果、2026年6月1日午前0時以降に製造されるすべてのウェハについて、受託製造料金が10%値上げされると示唆されているが、業界関係者によると、この調整はすべての製品に一律に適用されるとは限らないという。
Nexchipは成熟プロセスの需要の高まりを受けて生産能力の拡大を加速させている。2026年1月には、総投資額355億元の第4期プロジェクトを始動。40nmおよび28nmプロセスを活用する形でロジックやCMOSイメージセンサなどを月間5万5000枚の生産規模を有する12インチ(300mm)製造ラインを構築することが計画されている。
中国勢のほかにも、TSMCの子会社で8インチでの製造に注力する台湾ファウンドリVanguard International Semiconductor(VIS)も、早ければ2026年第1四半期中に値上げを実施する可能性があり、その値上げ幅は4~8%程度とする話もでているという。
TSMCは成熟プロセスの生産能力を削減か?
こうした8インチに注力するファウンドリがいる一方、12インチによる先端プロセスに注力するTSMCは、顧客に対して6インチのFab 2および8インチのFab 5の生産ラインを2027年末までに閉鎖すると通知。この動きが半導体業界の8インチ製品の供給を抑制し、ほかのファウンドリの成熟プロセスの受託製造料に上昇圧力を加える可能性があるとTrendForceは指摘している。
さらにTSMCは、2026年後半にも22~28nmプロセスの生産能力についても削減する可能性があるとする噂も市場の中で飛び交っている模様である。しかし、業界関係者からは、TSMCが3nmや2nmプロセスといった先端プロセスへのリソースをシフトさせるという長期的な方向性は明らかであるものの、22/28nmプロセスの生産能力削減が今年中に行われる可能性は低いとみている。
