サイボウズは11月5日、塩野義製薬の「kintone(キントーン)」活用事例を公開した。塩野義製薬はkintoneを利用し、業務利用の過程で自然にデータが整理されデータをデータウェアハウスへ円滑に投入できる動線を確立したという。

  • 業務データ管理の概要図

    業務データ管理の概要図

kintone導入の背景

塩野義製薬は現場で生まれる多様なデータを有効に活用し、経営層の意思決定の後押しと社内のイノベーションを加速させることを目的として、「セントラルデータマネジメント構想」を掲げている。

同社ではこの構想の実現に向けて、2021年よりデータサイエンス部を中心に社内データの一元管理とデータ活用基盤の整備に着手。しかし当時は、業務に関わるデータの保管場所が社内サーバやクラウドストレージなどに分散し、ファイルのバージョン管理も煩雑という状況がデータ収集や分析を妨げていたという。

こうした課題を解決するため、社内データを効率的に集積する仕組みを整備した。そこで、直感的に操作できるという事業部門視点での使いやすさと、入力項目への制御などが可能でデータの品質をそろえられ、他ツールとの連携性にも優れているという点からkintoneが採用された。

業務データをデータウェアハウスにつなぎ有効活用

塩野義製薬では、kintoneを介することで日々の業務で利用する中で自然に質を保ちながらデータを集積できるようになり、データウェアハウスに投入されるデータが着実に増加し、社内データの一元管理と価値最大化につながった。

さらに、kintoneで集積した最新の業務データをデータウェアハウスとつなぐことで、データの可視化と各部門への共有が可能となり、素早い意思決定にもつながっているとのことだ。

kintoneによる業務効率化支援でより価値の高いデータ活用基盤の構築を目指す

塩野義製薬ではkintoneの活用が整った活用可能なデータの集積につながった。サイボウズではkintoneが「セントラルデータマネジメント構想」の進展に寄与すると考え、事業部門の目線に立ち、「kintoneを活用するとどんな未来が開けるのか」をイメージできるよう支援した。

これと同時に、事業部門のニーズを聞き取り、業務効率化の手段としての価値を感じられるようサポートすることで、kintoneの利用浸透を進めてきた。今後は、ユーザーの縦横のつながりを深めたり、事例紹介や成果発表の機会を増やしたりすることで、より価値の高いデータ活用基盤構築を目指すとしている。