使い続けるほど減る? Windows 11のストレージ事情

Windows 11は使い続けるとストレージを消費する傾向がある。消費されるストレージ容量はユーザーの使い方に依存するが、ユーザーの使用するアプリケーションがほとんどストレージを消費しないものであったとしても、Windows 11自体がストレージを消費していくので、徐々に空き容量が減っていく。

用途に合ったストレージサイズのPCやノートPCを選択して使うのが基本であるのは間違いないが、そうは言ってられない状況もある。その場合にはクラウドストレージや外部ストレージにデータを移動させるというのが解決方法となる。しかしその前に若干の抵抗を試みることはできる。

Windowsで増え続ける4種類のデータ

Windowsにおいて一時ファイルは削除されているが、それでもデータは蓄積される。データが増えたはずがないのに、空き容量が少ない場合、以下のデータを削除する手がある。

Windows Updateに関連したデータ

Windows Updateを実行する際にダウンロードしたデータは、不具合が発生した際に復元できるようPCに保存されている。よって、Windows Updateを実行すればするほど、データが溜まっていくというわけだ。

アップデートに戻す必要がないデータは不要のため、削除できる。その際、「ディスククリーンアップ」を使う(「ディスククリーンアップ」の使い方は以下を参照)。

アンインストールしたアプリケーションのデータ

Windowsに組み込まれているアンインストーラーの多くは、プログラムデータやレジストリエントリを残す。そのため、レジストリが肥大することがある。 これらのデータはユーザーフォルダ内のAppDataフォルダにあるので、手動もしくはツールを用いて削除できる。

アプリケーションのパッチのデータ

アプリケーションはアップデートや修正に伴い、プログラムをダウンロードすることがある。不要なデータは削除されるケースが多いが、修復のためなどに古いデータが残っていることがある。

これらのデータはプログラムのメインフォルダ内にあるcache、patch、updateといったフォルダに保存されていることが多い。なお、アプリケーションの最新版を再インストールすると、不要なパッチデータが削除されるとともにアーカイブが最適化されて空き容量が増える。

システム復元ポイント

Windowsには、PCの現在の状態を保存し、問題が発生した場合に簡単に元の状態に戻せるよう、システムの復元ポイントがある。復元ポイントは、設定された最大使用量に達するまで保存されるので、時間の経過とともに数十GBのストレージを消費することになる。

。PCが正常に動作している場合は、すべての復元ポイントを削除してから新しい復元ポイントを作成できる。

Windows 11で「ディスククリーンアップ」でシステムファイルを整理する手順

Windowsを圧迫する4種類のデータを紹介したが、ストレージ容量が逼迫してきている場合は少しでも整理を行った方がよい。以下、「ディスククリーンアップ」を活用した最も基本的な方法を紹介する。

Windows 11にデフォルトで用意されている「ディスククリーンアップ」を起動する。

  • 「ディスククリーンアップ」を起動

    「ディスククリーンアップ」を起動

ディスククリーンアップを起動したら「システムファイルのクリーンアップ」をクリックする。

  • ディスククリーンアップ - 「システムファイルのクリーンアップ」をクリックした後

    ディスククリーンアップ - 「システムファイルのクリーンアップ」をクリックした後

「Windows アップグレードログファイル」や「Windows Updateのクリーンアップ」にチェックを入れて、「OK」を押す。

この処理を行う前後でのストレージの空き容量変化は次のとおりだ。

  • ディスククリーンアップの実行前

    ディスククリーンアップの実行前

  • ディスククリーンアップの実行後

    ディスククリーンアップの実行後

現在の一般的なディスクストレージサイズで考えると、この処理で確保できる空き容量はそれほど大きなものではない。抜本的な対策としては使えない。あくまでもちょっとしたお手入れくらいで考えておいた方がよい。

「道具を理解する」ことから始めるストレージ管理

ストレージ容量を確保する最も確実な方法は、普段自分がどのアプリケーションを使い、そのアプリケーションがどのようにストレージを消費しているかを把握することが大切だ。データを消費しているアプリケーションを特定できれば、より効率的に無駄なデータを削除できるようになる。

道具はあくまでも道具だ。その中身をよく理解し、丁寧に使うことがとても大切なことだ。ストレージ容量が逼迫してきたのであれば、その中身を調査するよい機会だと捉え、普段の自分の行いを整理してみるとよい。データを大量に消費しているアプリケーションが特定できれば、もっと効率的にストレージ容量を確保できるようになる。