
石破茂首相が9月7日夜に緊急の記者会見を開き、退陣を表明した。7月の参院選で敗北した責任を取り、次の自民党総裁選にも出馬しない。参院選後も日米関税交渉などを踏まえて続投に意欲を示していたが、退陣に追い込まれた背景には二人の姿があった。
石破氏は会見前日の6日夜、首相公邸で菅義偉元首相、小泉進次郎農水相と会談した。会談の内容は明らかにされていないものの、一部報道によると、菅氏からは党内の分裂回避を説得され、菅氏が退席した後は小泉氏と1時間半近くにわたり話し合ったという。
「ポスト石破」が次の焦点となり、総裁選では小泉氏と高市早苗前経済安全保障相が軸になるとみられている。また、前回の総裁選にも出た林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保相も有力視されている。
石破氏は7日の会見で、在任中の成果の一つに農政改革を挙げた。事実上の減反政策を見直し、コメの増産にかじを切ったもので「今後政策を具体化していくことになる」と述べた。
石破氏から農政を任されている小泉氏だが、農政改革の「一丁目一番地」であるコメ問題では、再び価格高騰の気配が強まっている。
農林水産省が公表した8月25日~31日のスーパーのコメの平均販売価格(税込み)は、5キログラムで前週より115円(3.0%)高い3891円で2週間ぶりに上昇。米穀安定供給確保支援機構が発表した8月分の調査によると、今後3カ月間の価格水準を示す指数は69となり、前月に比べて23ポイント上回った。2025年産の新米が高値で推移するとの見方が広がったとみられ、過去最大の上昇幅を記録した。
次の自民党総裁にも目されている小泉氏だが、環境相時代の言動などを巡り世間の目は厳しい。JAや党内の農林族からも、農政の急進的な改革姿勢に批判の声が根強い。父親の純一郎氏と同様に、抵抗勢力の反発をバネに政策を進めたい構えだが、一国の首相の座に就くまでの道のりはなお険しいか?
