
このまま人口減が続けば企業も社会も持たない
─ 先日の参議院選挙でも外国人労働者の受け入れが争点の一つになったわけですが、人口減少が進む中で、外国人との共生をどう図っていくかというのは大きなテーマだと思います。毛受さんは現状をどのように受け止めていますか。
毛受 日本は人口減少が急速に進んできて、日本人の人口は、直近では1年間に93・7万人減っている。年間100万人に達するのは時間の問題であり、10年ごとに神奈川県がまるまる無くなってしまう勢いです。
混沌とする「ポスト石破」の行方 財政不安、金利上昇に身構える市場
例えば、高校卒業後にそのまま就職をされる方がいるわけですけど、この層が直近20年間で40%減っている。つまり、20年前の半分ちょっとしかいなくなっている。実はこの層の人たちは自衛官、警察官、製造業や建築・土木、配送ドライバー、サービス業など、われわれが暮らす社会の土台を担っている。こうした方々が半分になっていて、このままでは日本社会を維持することなどできません。
─ それを実際に担っているのが、外国人の労働者なんですよね。
毛受 そういうことです。今回の参院選では、「日本人ファースト」を掲げる政党が躍進するという予想外の結果になりました。外国人の受け入れには様々な意見がありますけど、この方たちがいなくなったら、日本の社会が回らないのが日本の現実なのです。
ですから、政治家も国民も含めて一部の方が、わたしたちは外国人が嫌いだから受け入れしないでやっていこうと言うのは勝手ですが、それ以外に代替案があるかといったら無いわけですよ。しかも、人口減少というのは、これからもさらに続いていくわけですから、高度人材にしろ、現場労働者にしろ、もう外国人の人たちに入ってもらわないと社会が回らないという事実を直視すべきだと思います。
─ 外国人労働者を否定している人たちは、こうした現状が分かっていないと。
毛受 なんとなくは分かっていても、社会の現実とご自分の認識が追い付いていないんでしょうね。
結局、今までの外国人労働者というのは都合よく使える人たち、つまり、日本人が足りない時や雇えない時に来てもらって働いてもらったらいいと。景気が良い時には人手が足らないから外国人労働者を呼ぶけれども、景気が悪くなったらもう必要ないから帰ってもらえと。そういうことだったわけです。
ところが今は若い人がどんどん減っているので、外国人に来てもらって、必要な時だけ働いて国に帰ってもらうというのでは済まない社会になってしまった。ですから、今後は外国人を帰らせる前提ではなく、日本に残ってしっかり仕事をしてもらう必要があります。
日本はモノづくり立国を標榜して、製造業を中心にここまで成長してきたわけです。そのモノづくりの土台を支える日本人の若い人たちがこれだけ少なくなっているのですから、これからは外国人が現場労働者から専門技術者になり、さらに会社の中堅、幹部へと成長しないと、企業ももたないということだと思います。