トランプ政権の影響は〝知の拠点〟にも… 【私の雑記帳】

知の拠点・大学も〝被害〟に

 トランプ大統領の米国ファースト主義は、一時、自国民の現状への不満のハケ口にはなろうとも、長続きはしない。冷静に考えれば、他の地域や国々との連携なくして、持続性あるいは自国の発展は得られない。

 米トランプ氏のアカデミアに対する攻撃も激しいものがある。名門ハーバード大学は年間約1兆円もの〝援助予算〟が削られると聞く。その攻撃はスタンフォード大やコロンビア大など他の有力大にも及び、大学に居る研究者や留学生の中には「米国を脱出したい」という人たちも少なくない。

 世界中から頭脳を集め、知の集積機関として、米国の大学は機能してきたが、それも弱体化する兆しが見え始めた。

東北大学・冨永総長の決意

 そんな時、東北大学が「米国の研究者や留学生を受け入れる」と公表し、アカデミアの関係者を元気づけている。

「おっしゃるように、時代の転換期といいますか、これまで無条件に是としてきたことが本当にそうなのかというような状況になっています」と冨永悌二総長(1957年生まれ、医学博士)は現在の状況認識をこう示しながら続ける。

「例えばアメリカで研究者の研究環境が非常に悪くなっているというようなことがありまして。研究して、それを社会に還元する。研究を進めるということは、もう社会から望まれていることであって、それを100%是としてわれわれはやってきました。でも米国の状況を見ると、トランプ大統領があのような形でアカデミアとある程度対立するような形になっています」

 冨永総長自身も1980年代後半から90年代初めにかけて、フィラデルフィア生体膜研究所などで神経学を研究したりしてきた。

 自分が留学した頃の米国とは事情が違ってきたという認識を冨永さんも示す。世界各地から優秀な人材が米国に集まり、非常に豊富な研究資金があって、知を生み出していくのが米国だったのだが、その米国はこれからどこへ向かうのかという危惧である。

 東北大学は昨年、日本政府が進める『国際卓越研究大学』の第一号の認定を受けた。年間約150億円の研究資金が支援される。 同大はこれまで、米国の有力大学の研究者や留学生の交換を進めてきており、今日も前向きに対応するとしている。5年間で500人を受け入れるという(必要資金は300億円)。こうした連携、ネットワークづくりは必ずや実を結ぶと思う。

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