かつては蜜月だったOpenAIとMicrosoft(マイクロソフト)の間で、緊張関係が高まっている。AIをめぐる提携に変化が起きているだけでなく、OpenAIはMicrosoftの反競争的行為を独占禁止法違反として規制当局に申し立てることを検討しているという。

OpenAIとMicrosoftの間に何が起こっているのか?

OpenAIとMicrosoftはマイクロソフトがOpenAIに出資する関係であり、製品・技術面でもマイクロソフトが「Azure OpenAI」を提供するなど良好な関係にある。2023年にOpenAIのSam Altman氏がCEOを解任された際には、一時的にマイクロソフトに入社したこともあるぐらいだ。

現在、OpenAIは営利企業への転換を進めつつあり、5月に再作成した組織再編計画についてマイクロソフトの承認を求めている。しかし、交渉が難航しているとのこと。関係者によると、OpenAIの経営陣はMicrosoftの反競争的行為を独占禁止法違反として規制当局に申し立てることも検討しているという。

両社の関係が良好でない点はいくつかある。OpenAIが買収したAIコーディングのWindsurfの知的財産権について、マイクロソフトはすべてのアクセス権を求めているがOpenAIは拒否している(マイクロソフトは競合する「GitHub Copilot」を持っている)。

また、OpenAIは主要なクラウドインフラとしてAzureを利用しているが、他のクラウドプロバイダーとも提携したいと考えているという。6月に入り、OpenAIとGoogle Cloudと提携するとReutersが報じている。

6月16日付けでレポートしたWall Street Journalの問い合わせに対し、2社は共同声明として「われわれは長期的で生産的な提携関係にあり、すべての人に素晴らしいAIツールを提供してきた。話し合いは継続中であり、今後何年にもわたって一緒に構築を続けていけると楽観している」と述べている。