ミート社長兼CEO・岩城功が語る「スマホをかざすだけで、リアルとデジタルを一瞬で繋ぐ」

売れない時代にどう売るか─。トランプ米政権の関税対策で物価の上昇が今後も続くと見込まれています。一方で国内に目を転じると、少子高齢化に伴って生産年齢人口の減少に歯止めがかかることはありません。

 様々な企業が日々刻々と新商品を投入する中で、いかに自社の商品を効率よく販売していけるかどうかが大きなポイントになってきます。また、営業担当者を管理する営業現場などでも、担当者の作業をいかに効率化し、顧客との対話に時間を割けるかが重要になっています。

「スマホタッチで即座にオンラインに誘導できる」─。こんな技術が生まれています。当社が独自開発したNFC(近距離無線通信)を活用したコミュニケーションサービス「MEET」は、スマホをかざすだけでウェブサイトやアプリなど、あらゆる情報やコンテンツに瞬時にアクセスすることができます。

 例えば化粧品大手のポーラでは販売チャネルとして主に路面店、百貨店、公式オンラインストアの3つがあったのですが、それぞれ別々に会員IDを発行し、顧客データベースを管理していました。その結果、どのチャネルでどのような人がどんな商品を購入しているかを把握することができていませんでした。

 この状況下、同社は新たに共通の会員IDへの再登録を誘導しようと考えました。しかし、それが困難を極めました。そこで当社の「MEET」を約2500店舗全店で導入したのです。来店客に当社の米粒より小さいチップを埋め込んだ「MEET」シートにスマホをかざしてもらうだけで入力フォームに飛び、スムーズな共通顧客IDの発行へとつながりました。

 また、日本生命保険では全国5万人全ての営業職員が利用する営業活動ツールとして導入されました。A4サイズのシートに4つの「MEET」が搭載されており、スマホをかざすだけで、LINE公式アカウントのともだち追加、LINE WORKSによる営業職員との連絡先交換、お知らせ・キャンペーンの告知などをスムーズに行うことができます。本格導入以来、1年で266万人の友だち追加があり、キャンペーンへの応募者も大幅に伸びるとともに、成約率の向上につながっています。

 このように当社のサービスはリアルとデジタルが行き交う経路をよりスムーズかつ簡単なものにするサービスになります。類似のサービスではQRコードがありますが、こちらはアクセス先が変われば、その都度、新しく発行したQRコードを張り直さなければなりません。しかし、「MEET」は管理サーバーを経由して内容を簡単に更新することができるため、こういった作業は不要になります。

 活用事例は他にもあります。あるアーティストのライブ会場に「MEET」を設置し、来場したファンの方々はスマホをかざすだけで特設サイトにアクセスすることができます。つまり、来店や来場といったリアルな行動に結びつける仕掛けとして効果を発揮しています。

 当社は2022年に設立された会社なのですが、トヨタ自動車や資生堂、ソニー、アサヒビールなどの大企業のWeb制作を一手に引き受けてきた実績を持つベースメントファクトリープロダクション代表取締役の北村健によって設立されました。

 そのため我々は約25年間、デジタル領域でデジタル技術の経験を培ってきたのです。この経験を活かし、あらゆるコミュニケーションをテクノロジーの力でアップデートしていきたいと思っています。

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