富士通は6月16日、介護施設やサービス付き高齢者住宅などの居室、およびバリアフリートイレなどプライバシー保護の観点からカメラ設置が難しい空間において利用者の安全を見守る「Fujitsuミリ波レーダ見守りシステム」を提供開始することを発表した。

  • システム概要図

    システム概要図

サービス提供開始の背景

近年は介護や医療現場などにおいて人手不足が深刻化しており、従事者一人当たりの業務負担の増加が増加し、目が届きにくい場所での高齢者や入院患者の転倒、ベッドからの転落、トイレや浴室での急病人の発生といった、不慮の事態へのリスクが高まっている。

特に個室やトイレといったプライベートな空間では、プライバシーの観点からカメラの設置が難しく、事故の早期発見が困難とされる。

サービス概要

今回発売を開始する「ミリ波レーダ見守りシステム」は、カメラを使わずにミリ波レーダーでプライバシーを保護しながら見守りを実現するという。人の動きに加えて、呼吸や筋肉動作などの体振動までを点群データとして収集し、AIで解析する仕組み。

これにより、動きの検知に特化したセンサーを活用する既存システムでは検知が難しい呼吸の微細な変化や体振動の異常といった身体の異変も含め、異常事態を自動で検知可能となる。転倒だけでなく、その後の胸部の微細な振動まで捉えられるめ、従事者による速やかな対応を可能とする。

また、カメラでの映像記録を行わないため、プライバシーを確保しつつ、夜間や早朝などの従事者が手薄になる時間帯においても24時間体制での見守りや管理業務を支援するとのことだ。

迅速な対応を支援するアラート発報機能

「ミリ波レーダ見守りシステム」は異常検知を必要とするケースについて事前に検知対象や範囲を設定することで、特定の条件下でアラートを発報する機能を搭載する。例えば、人が転倒し転倒後に一定時間起き上がれない状態や、特定の位置に長時間滞在している状態、夜間の睡眠時の異常や呼吸状態の悪化など、人の特定の動作や状況に応じたアラート設定が可能だ。

アラートの通知先を個別に設定することで、最適な担当者へ迅速にアラートを発報できるため、担当者が異常事態を見逃すことなく初期対応が可能となり、利用者の安全を最大限に確保する。