KDDIは4月30日、大阪堺データセンターにおいてGoogleの生成AIモデル「Gemini」のオンプレミス版「Gemini on GDC(Google Distributed Cloud)」のトライアル提供を3月27日に開始したころを発表した。
これにより、ユーザーは機密性の高いデータを国内に保管したまま、Geminiを活用した高度な分析やサービス開発などを推進できるようになる。同社は今後、サービスの機能改善や、自社をはじめとするさまざまな場面でのユースケース創出を進め、2027年の商用提供開始を目指す。
大阪堺データセンターのGeminiをAPIで使えるように
Gemini on GDCは、ソブリン性を確保した大阪堺データセンターにおいて、Geminiによる推論を実行できるサービス。API形式で提供するため、ユーザーは自社でのAIモデルの構築と運用が不要となる。
Geminiの活用により、自然言語で指示するだけでデータ分析や高度なコード生成といった推論を実行可能だ。さらに、テキスト・画像・音声といった複数の情報を組み合わせた活用にも対応するという。
活用例1:レガシーシステムからの移行AIツールの開発支援
大和総研は多くの企業が課題とするレガシーシステムの最新化を目的とした、AIによるシステム移行ツール「Smartrans」を開発提供しており、同ツールにGemini on GDCの活用を予定している。有効性の評価を実施し、適用に向けた検討を進めているとのことだ。
Geminiのコード生成・理解能力を活用することで、従来のプログラミング言語で書かれたソースコードの解析や、最新言語への変換プロセスの効率化が期待されている。システム刷新では設計情報やソースコードなどの機密情報を取り扱う必要があるが、Gemini on GDCは情報を国内で安全に管理しながら、AIによる解析や開発作業を進めることが可能。
活用例2:AIグラスを活用した業務可視化ソリューションの実証
KDDIは小売店舗などにおける現場業務の改善や、従業員の教育と研修の高度化を目的として、AIグラスによる業務効率化ソリューションの実証を進める。この実証においてもGemini on GDCの有効性を確認している。
Geminiが備える、画像や音声といった多様な形式の情報を分析できる機能により、映像に映る複雑な作業内容を理解し改善点を抽出できる。店舗で撮影される映像には個人情報などが含まれる場合がああるが、Gemini on GDCはデータをクラウドに送信することなく国内で安全に解析できる。
活用例3:ネットワーク開発・構築の自動化・高度化
KDDIはネットワーク開発および構築の自動化と高度化に向け、AIを活用したマルチエージェントシステムの開発にGemini on GDCを活用する。
AIを活用したマルチエージェントシステムは自然言語による指示に基づき、複数のAIエージェントが協調して、設計から設定、テストに至る一連の工程を自律的に実行する。Gemini on GDCを用いることで、機密性の高いネットワーク情報をクラウドに持ち出すことなく安全に処理でき、セキュアな環境下におけるネットワーク関連業務の自動化と高度化に寄与する。



